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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

<2006年10月31日 信濃毎日新聞掲載分>

教育格差是正へ 乳幼児支援
<イラク>

© UNICEF/HQ03-0039/Shehzad Noorani
イラク北部の街アルビル近郊にある幼稚園の様子

紛争後の混乱と治安の悪化が続くイラクで、ユニセフは隣国ヨルダン・アンマンの事務所とバグダッドの現地事務所が連携して、引き続きイラクの子どものための支援活動を実施しています。

紛争の影響を特に受けやすい乳幼児に対する支援は、ユニセフが最も力を入れている分野の一つです。ユニセフは、治安の悪化でさまざまな制約を受けつつも、栄養、水と衛生、教育といった分野で、乳幼児を支援するプロジェクトに取り組んでいます。

栄養の分野では、ヨウ素添加塩の普及を通じたヨウ素欠乏症の削減や、貧血の発生率の低下など、確かな成果を上げています。また、水と衛生の分野では、安全な水と衛生設備へのアクセスが改善されたことで、乳幼児の下痢や、汚れた水が原因の脱水症による死亡数が減少しました。

これに対して、幼児期教育の分野では改善すべき点が多く残されています。イラクには、5歳未満の子どもが400万人以上いるのにもかかわらず、公立の幼稚園は650しかありません。2003年から04年の調査によれば、3歳から5歳までの子どものうち、幼稚園に通っているのはわずか5.7%で、その大半は都市部に集中しています。また多くの場合は、教育の質も十分とはいえません。農村部の多くの子どもたちは就学前教育の機会を奪われており、国内の教育格差が深刻化しています。

ユニセフは、この格差を是正しようと、乳幼児ケアの専門家に対する研修や、家庭での乳幼児ケアに関する調査を実施する専門家の養成、乳幼児の発育を促す緊急キットの提供などを行っています。「乳幼児ケアに関する政策を立案する前に、政府は家庭での子育ての現状について十分に把握する必要があります」と、ユニセフ教育担当官のジータ・ベルマは話します。

ユニセフは現在、イラク政府と協力して、家庭での子育てに関する調査を実施しています。調査結果を、政府の乳幼児ケアに関する政策立案に反映させるためです。

紛争後の混乱が続く中、イラクに乳幼児ケアプログラムを定着させるには、さまざまな問題を解決する必要があり、多くの時間を要すると思われます。ユニセフは、イラクの子どもたちがもつ潜在能力を十分に発揮できるように、今後も乳幼児ケアの促進に取り組んでいきます。

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