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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

日本賞2007
リベリア難民の子どもたちを描いたドキュメンタリーが「ユニセフ賞」を受賞

【2007年10月31日 東京発】

© NHK/2007
2007年「日本賞」教育番組国際コンクールの各部門で最優秀番組賞を受賞された方々

1965年に、世界の教育番組の向上をはかり、国際的な理解と協力の増進に役立つことを目的にNHKが設立した教育番組国際コンクール、「日本賞」。第34回「日本賞」の「ユニセフ賞」に、ガーナで暮らすリベリア難民の子どもたちの学校を紹介するドキュメンタリー「インスピレーション:西アフリカ物語」が選ばれました。

「ユニセフ賞」は、1967年に創設された番組部門の中の賞のひとつで、困難な状況下にある子どもの生活や境遇についての理解を促す優れた番組に贈られています。

© NHK/2007

今年の日本賞には、50を超える国々から262作品の応募がありましたが、「ユニセフ賞」の受賞作品は、イギリスでオンデマンド方式で教育番組を無料ネット配信しているティーチャーズ・テレビが制作しました。

写真:ユニセフ東京・韓国事務所兼任代表ダン・ローマンより、ティーチャーズ・テレビのドロシー・スティブンさんへ「ユニセフ賞」のレリーフが手渡されました。

元子どもの兵士たちに未来を

このドキュメンタリー作品は、リベリア難民の子どもたちのために、ガーナ国内にボランティアの手で建てられた学校でくりひろげられる、先生や子どもたちが、リベリアの内戦で負った心の傷を克服するために葛藤する日々の姿を描いてます。

学校周辺のコミュニティの人々は、子どもたちにできる限りの教育をうけさせたいと強く願っています。難民の人々は、貧困や伝染病などに苦しんでいます。この学校も、教員への給与の支払いや、教育の質の維持・向上、そして、子どもたちが安心して勉強できる環境を整えるために、様々な困難に立ち向かっています。

学校では、子どもたちに、彼らがリベリア人であることを忘れないよう、出来る限りリベリアの「過去」につても教えています。リベリアの内戦では、兵士として恐ろしい闘いに参加させられた子どもたちもいましたが、こうした過去の悲劇について、歴史を学ぶことによって、子どもたちの中で気持ちの整理がつけられるようにという目的もあります。

「紛争の間、子どもたちは麻薬を与えられ、軍隊に入れられていました。子どもたちは、自分が何をしていたのかを全くわかっていませんでした。過去を理解することは大切なことです」。ドキュメンタリーの中でインタビューにこたえたある教員は、こう話しました。この教員のクラスの女子生徒は、「兵士だった子どもたちを(憎むのではなく)許しましょう。そして、平和と和解を目指しましょう」と、呼びかけています。

複雑化する子どもたちの問題とメディアの力

「ユニセフ賞」が創設されてから40年。子どもたちを取り巻く問題は多様化し、紛争・自然災害からHIV/エイズと、多岐に渡っています。一方、今回の受賞作品に反映されているように、子どもたちの教育に使われるメディアや教材も劇的に進化しています。このような技術の進歩により、危険に晒されている子どもたちの現実が、より身近なものとして世界に発信できるようになっているのです。

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