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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ケニア北部で栄養不良に苦しむ子どもたち

【2009年4月17日 ケニア発】

ケニア北部に暮らす遊牧民トゥルカナ族の人々は、常に厳しい生活を強いられています。この地域は広大ですが不毛な土地で、更に近年深刻な干ばつに苦しめられているのです。

ユニセフは、この状況に対し、欧州委員会人道援助局(ECHO)と共に、すでに疲弊している人々を襲った干ばつの影響を緩和するべく活動しています。

飢餓に苦しむ子どもたち
トゥルカナ族出身のナンゴロル・エセコンさんは、生後11ヵ月のナルトムちゃんを連れて、ケニア北部のロキチョギオ
で栄養不良のために治療を受けた。
© UNICEF/NYHQ2008-1464/Bonn
トゥルカナ族出身のナンゴロル・エセコンさんは、生後11ヵ月のナルトムちゃんを連れて、ケニア北部のロキチョギオ で栄養不良のために治療を受けた。

ナゴロル・エセコンさんは、スーダンとの国境から約30キロ離れたところに位置するロキチョギオのアフリカ内陸教会保健施設に、娘のナルトムちゃんを連れて行きました。この診療所ではユニセフの支援をもとに、トゥルカナ族の暮らす地域のNGOが主体となって栄養プログラムを進めています。

ナルトムちゃんは嘔吐と下痢に苦しんでおり、医療スタッフは、彼女をマラリアと栄養不良であると診断しました。ナルトムちゃんは予防接種を受け、ビタミンA補給タブレットを与えられました。さらに、中度の栄養不良に苦しめられている5歳未満児のために考えられた栄養補充プログラムを受けることになりました。

ケニア、ロキチョギオにある保健施設で中度の栄養不良治療を受けた後、診療所の外で、母親のひざの上に座っているナルトム・エセコンちゃん。
© UNICEF/NYHQ2008-1459/Bonn
ケニア、ロキチョギオにある保健施設で中度の栄養不良治療を受けた後、診療所の外で、母親のひざの上に座っているナルトム・エセコンちゃん。

ナルトムちゃんは、2006年の開設以来、診療所にて治療を受けた3万人以上の子どもと女性の中のひとりに過ぎません。

「私たちは、中度、重度の栄養不良により、貧血や低血糖のような深刻な症状に苦しむ赤ちゃんを治療しています。こうした赤ちゃんたちは、食欲がなく、むくみが見られます。」診療所のヴィクキ・ジェロプ・ビノット栄養士は話します。「食糧不足の問題もありますし、病気の問題もあります。そしてほとんどの子どもたちが、飢餓に苦しんでいるのです。」

栄養不良の効果的な治療
重度の栄養不良の治療後、ロキチョギオにある保健施設で保健員に体重を量られるエケノ・エチョダちゃん(5歳)。
© UNICEF/NYHQ2008-1456/Bonn
重度の栄養不良の治療後、ロキチョギオにある保健施設で保健員に体重を量られるエケノ・エチョダちゃん(5歳)。

ユニセフは、この地域で最も支援が必要な地域の最新情報を入手し、2008年に起きた深刻な干ばつのような新たな危機に、迅速で効果的な対応ができるよう活動しています。

迅速な対応は非常に重要です。迅速な処置が施されなければ、子どもたちの健やかな発育が生涯にわたって阻まれてしまう可能性があるのです。

しかし、ナルトムちゃんは栄養不良による後遺症に苦しめられることはないでしょう。診療所で、このまま順調に回復すれば、家に帰ることができます。わずか2,3日前とは大きく異なる娘の様子に母親は大喜びです。

ナルトムちゃんの母親は治療用のかゆを処方され、食べさせ方の指導も受けました。母親は、薪を売って得るわずかな収入で、家族を養い続けていくことに不安を感じていますが、ナルトムちゃんには、診療所の外来健診を無料で受けさせることができます。

「ナルトムちゃんの治療を今後も続けていきます。」ビノット栄養士はこう約束しました。

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