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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

村人自身が問題を解決
<ラオス>

<2003年4月8日 信濃毎日新聞掲載>

 ラオスは、発展がめざましい隣国のタイやベトナムに囲まれながら、地域の中でも貧しく、開発が遅れている人口約500万人の国である。ユニセフは貧しい地域の村々で、子どもと女性のための支援プロジェクトを実施している。

 ラオス南部のサバナケット県にあるナーケーナム村。まだ、ユニセフの支援を受けていない人口300人程の小さな村である。貧しいために服を着ていない子どもがいて、村の小学校は2学年までしかないため、3年生からはほとどの子どもが学校に行っていない。村のラオス女性連盟会長のロイさんは「子どもたちがよく病気にかかるんです」と言う。しかし、シニャム村長は「村の問題をどのように解決していけばいいのか、考えたことがなかった。」と、打ち明ける。村には、何人の子どもが学校に行っているのか、乳幼児が何人死亡したのか、など統計的な数字もないため、問題を把握することもできない。

 そこで、ユニセフは村の支援の第一歩として、村人自身による村の状況調査と、行動計画の作成を支援している。ユニセフによって研修をうけた村人は、子どもの栄養状態や就学率など、村の統計数値の取得、村の長所と問題点の特定、問題の優先順位づけ、問題の根本原因の分析などを行い、どのように問題を解決していけばいいかを考える。

 同じサバナケット県のタッレオ村。カンボン村長は、ユニセフによる支援の内容や成果、村が女性・教育・文化などの分野で県から表彰されたことなどを自信をもって話す。タッレオ村は織物などの女性の収入向上活動への融資、米銀行、トイレ、井戸の設置、基礎医薬品の支給、教員トレーニング等のユニセフの支援を10年間にわたって受け、昨年支援が終了した。この村では全ての子どもが小学校に行き、女性が自立するための経済活動(機織、養鶏など)を行っている。分野毎に担当者が責任をもって、運営にあたっている。今後問題が発生した場合も、村人たちは自分で解決方法を考える力を身につけている。

 支援に依存するのではなく、自立していけるようにする。ユニセフは、1つ1つの村の人とともに活動を続けている。

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