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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

母乳をあげるだけ!それが大切
<ラオス>

<2002年7月30日掲載>

 チャノムさんの着ているTシャツには「子どもを愛して、母乳育児を!」のメッセージが見えます。チャノム・クォソヴァンさん(42歳)は、シェーンクァン県のクァム郡でこのメッセージを広める役割を担っています。彼女は、郡の病院で母子保健を担当しており、母乳育児を広めるためにユニセフによるトレーニングを受けました。「母親が出産前の検診にきたら、自分自身と赤ちゃんの健康のために、粉ミルクではなく母乳が一番いいのよ、とアドバイスしています。そして、正しい母乳育児のやり方を伝えるんです」

 1日に検診に訪れる母親は3人ほどです。チャノムさんは、もっとたくさんの人が来てくれればいいのにと思います。「遠くに住んでいる人はめったに来ないんです。妊娠中の女性は遠出をしたくないし、多くの人にとって郡の保健センターまでやってくる交通費もとても負担の重いものなのです」

 もうひとつの問題は、郡で暮らす少数民族の多くが、独自の文化や健康に関する伝統を持っており、ときにそれらが村の外へ助けを求めにくくすることがあるということです。

 チャノムさんは、赤ちゃんが生まれる前に母乳育児を教えることが、母親たちに自信を与え、誕生直後から母乳育児をはじめ、それをより長く継続させることにつながることを知っています。布製の胸型と赤ちゃんの人形を使って、チャノムさんは母親たちに、赤ちゃんにどのように母乳を飲ませるのかを実演します。そして、生まれたばかりの赤ちゃんをどうやって世話するのかも教えます。
 「幾人かは乳首に問題がある場合がありますが、それにも対処します。もし問題に対処する人がいなければ、その母親たちは皆、子どもに粉ミルクを飲ませるようになるでしょう」
 「母親たちには、赤ちゃんが6ヵ月になるまでは母乳だけを飲ませるように、とすすめていますよ。そして、その後の2年間は、母乳と離乳食をうまく取りまぜて育てるようにとも話しています。支援がなければ、多くの母親たちがほんの1ヵ月やそこらで離乳食の段階へとすすめてしまいます。母親の多くが、自分たちの母乳がそれだけでいかに栄養に富んでいるのか、ほとんど認識していないのです」

 保健センターのサービスがあるモン民族の農村で暮らすツェ・ローさんは、彼女の2ヵ月の女の赤ちゃん、チュアに母乳を飲ませています。ですが、彼女は自分のやり方でいいのか、まったく自信がありません。
 「だれも母乳のあげ方を教えてくれなかったし…」18歳の母親は話します。「私の赤ちゃんは、何だか育ちが悪いみたいで、ちゃんと母乳が出ていないんじゃないかって思っていたの。チュアはお腹をすかせている、母乳が足りないんだって…」彼女は、どうしたらいいのかわからないと話しました。
 コミュニティの母乳育児を支援するグループがやってきて、ほとんどの母親がツェさんと同じように考えるけれど、実はちゃんと母乳は足りているのだ、ということを分からせてくれました。自信を持ち、家族やコミュニティの支援や、保健の専門員や実際に母乳育児をした女性の助けがあれば、きちんと母乳育児をすることができるのだ、と教えてくれたのです。
 また、母親がきちんと母乳育児をするためには、家事を休んで十分な時間をとることや、仕事場に赤ちゃんを一緒に連れて行けるようにすることが必要で、家族やコミュニティがそれを理解していることも大切です。

 もし、トレーニングを受け、正しい情報を得た保健の専門員や女性のグループから支援を受けることができなければ、母親も赤ちゃんも母乳育児の素晴らしい恩恵を受けることができなくなってしまうでしょう。確かに、ツェ・ローさんのような女性にとってこうした支援は重要です。なぜなら、ともすれば、自信のなさや間違った母乳育児のやり方が、母乳育児をやめてしまうことにつながり、最後には、子どもたちを栄養不良や成長阻害の危険にさらすことになるのですから。

2002年7月10日 ビエンチャン
Tom Morgan,ユニセフ・ラオス事務所

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