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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

マダガスカル:肺ペストの広がりを防ぐ!

【2011年4月15日 マダガスカル発】

ユニセフは、マダガスカルの首都、アンタナナリボにおいて、肺ペストの広がりを防ぐキャンペーンを実施しました。このキャンペーンは、首都圏の中でも最も症例数が多い地区の28,000世帯を対象にし、3日間にわたって行われました。(注釈:肺ペストはネズミやネズミノミが仲介すると言われている細菌性の感染症。)

2011年に入って、肺ペストの報告数が急増しています。

マダガスカルの保健省による公式の最新データによると、3月末までに、310症例以上が報告され、49人が死亡しています。

深刻な事態
© UNICEF Madagascar/2011
娘のフィティアちゃんを抱いたクローディア・ラヴァオアリノロさん(17歳)。肺ペストに感染し、病院で治療を受けた

「肺ペストの症例数が増えていることを憂慮しています。人間から人間へと容易に感染していくものだからです。公衆衛生上では重大な問題とされ、人口密集地では抑制がききにくい特徴があります」と語るのはユニセフ・マダガスカル事務所のブルーノ・マエス代表です。「子どもが多くかかっており、今年に入ってからは、新しく3つの地域が感染地域に指定されています」

アンタナナリボから北27キロにある人口2万2,000人の町タラタヴォロノンドリーでは、20症例以上が報告されています(うち2症例は死亡例)。

「危うく命を落とすところでした。お腹にいた子も一緒に・・・」と17歳のクローディア・ラヴァオアリノロさん。初めての子が生まれたばかりです。「妊娠中、お腹のリンパ節が腫れていたんです。幸い、病院での治療が間に合ったので助かりました。大分長いこと入院しましたが。義理の妹は運が悪く、11歳で亡くなってしまいました」

肺ペストが報告された場所では、ユニセフの支援により、消毒キャンペーンが実施されました。「衛生上の問題ですから、みんな、恥かしくて、家族が肺ペストにかかっているとは言えません」とアンボヒマハヴェロナの長老、ランドリアンジャトヴォさんは言います。

全国レベルの広報キャンペーン
© UNICEF Madagascar/2011
肺ペストの報告を受けた農村部タラタヴォロノンドリーで消毒キャンペーンを行う、マダガスカルの衛生事務所のスタッフ。

ユニセフは、150局にのぼる地元のラジオ局を動員し、広報キャンペーンを支援しています。また、地元レベルで、コミュニティ動員用の広報資材も作成しています。

「衛生については、常に関心を持ち続けないと意味がありません。いかに衛生が大切か・・・コミュニティ全体で認識することが大切です。でないと、その場しのぎの活動に終始してしまいます」とアンタナナリボ衛生事務所のトップであるブリジット・ラコトソォロフォ医師。

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