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公益財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち/ストーリーを読む

マリ:紛争の状況悪化を受けて、約70万人の子どもが教育を中断

【2013年2月22日 マリ・バマコ発】

© UNICEF/MLIA2012-00895/Bindra
マリ・バマコにて。2012年12月9日撮影

ユニセフとマリの教育行政機関によると、マリの状況悪化を受けて、約70万人の子どもが教育を中断させられ、いまだにマリ北部から南部の広い地域にわたり、20万人の子どもが学校へのアクセスのない状況です。

2012年1月から、北部の115の学校が閉鎖されたり、破壊や略奪に遭ったり、また不発弾の脅威にさらされています。多くの北部の教員が帰還していないため、南部の学校は、定員を大幅に上回り、北部から避難している子どもの流入に対応しきれていません。

「マリでは、武力紛争の影響を受けて、何十万人もの子どもたちが教育の権利を侵害されています」「この危機の影響を受けている人々に新たな希望を与えるためにも、数百校の学校を再建・修繕し、場合によっては食堂を設置する必要があります」教育省のモウッサ・ボカル・ディアルラ大臣はこのように話します。

「数千人の教員に、研修が必要となるでしょう。平和と寛容の文化に関する内容を含む、教材や教科書が求められています。強固な国内外の支援で、こうした課題を乗り越えることが可能となります」(ディアルラ大臣)

北部で機能している学校の割合は、3校中わずか1校。キダルでは、全ての学校が閉校。トンブクトゥでは、5パーセントの学校が再開を果たしました。ガオでは、復帰を果たした教員はわずか28パーセントに留まっています。「学校にいた時、銃声が聞こえたんだ」こう話すのは、モプティ市のドゥエンツァから、セバレへの避難を余儀なくされたアマドゥ君(12歳)です。彼は、現在そこで学校に通っています。

「校長先生が、みんなに家に帰るように言ったんだ」とアマドゥ君。「でも家にいても、銃声は聞こえていたよ。約2週間、学校には通えなかった。気が動転していたし、あまりよく覚えていないんだ。ドゥエンツァで聞いた銃声の音が、とても怖かった。でも今は、前みたいに生活し始めているよ」

2012年12月から、子どもたちに心理社会的ケアと不発弾についての地雷教育を行うべく、ユニセフは1,190人のマリの教員に研修を実施。また、紛争による影響を受けた国内全域の1万6,000人以上の子どもたちに学用品を支援しました。

「教員が教えることを恐れ、児童や生徒が学校に通うことを怖がっているようなときは、教育全体が、危険に瀕しているのです」ユニセフ・マリ事務所のフランソワーズ・アッカーマン代表はこのように述べました。

ユニセフの技術的・財政的な支援を受けて、教育当局とパートナー団体は、特に北部の学校再開に向けた取り組みを加速しています。「子どもたちが、その学年を終了できるようにしなければなりません。特に女の子たちのために」。トンブクトゥ危機対策委員会代表はこう話しました。

マリで活動する全教育関係パートナー団体は、2012年11月、緊急アピールを発表。国際社会に1,880万米ドルの支援を求めています。しかしながら、今日現在、資金はほとんど集まっていない状況です。

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