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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち/ストーリーを読む

モザンビーク: 洪水被災者への支援

【2013年1月29日 モザンビーク発】

© UNICEF Mozambique/2013
洪水で自宅を流された人々を救出する海軍の救援チーム。約25万人がこの洪水の被害を受け、推定15万人が家を追われた。

モザンビーク・ガザ州に掛かるシャイシャイ橋に集まった人々は、モザンビーク政府が派遣した海軍の救援チームが洪水のために自宅からの避難を余儀なくされた人々を救出している様子を、心配そうに見つめています。

隊員たちは、人々がボートから降りるのを手助けしています。被災した人々は、水位が上昇し続けパニック状態になる中で、どうにかかき集めることができた衣類や炊事道具、鶏、豚といった、それぞれにとって最も大切な物を手にしています。

ミランダ・ナチャヴァさんは、ボートから急いで降りると、「あの場所から避難することに、強いためらいがありました」と、意気消沈した様子で話しました。「あそこで、命を落とした人もいたので」

避難を余儀なくされた人々

今回の洪水で被災した方々は、約25万人。推定15万人が、自宅からの避難を余儀なくされました。

ショクウェは、最も被害の大きかった地域のひとつです。洪水被害に見舞われる前までは、市場が立ち並び、車や歩行者が忙しく行き交っていた町の中心部。今、そこには、給水を待つ人の列ができています。頭の上に、家からなんとか持ち出してきた荷物を載せ、人ごみを上手に掻き分けながら歩いていく人もいます。また、高いビルの上に避難して、水が引くのを待っている人もいます。

しかし、住んでいた人の大半は、政府の緊急警報発令を受け、この町を離れました。

避難できる場所、水が得られる場所

© UNICEF Mozambique/2013
キャンプに避難を余儀なくされる人々の数は、徐々に増加している。最も厳しい立場にある人々をはじめ、全ての被災者に、飲料水や食糧、避難場所を確保し、衛生設備(トイレ)を提供するべく、関係者は全力をつくしている。

ショクウェから30キロほど離れた場所には、1月28日現在、推定7万人が避難。そのうち、数千人が、この地域に設置されたキャンプ地で避難生活を送っています。この場所を避難先に選んだ理由について、ショクウェの自治体代表を務めるアルベルト・リボムボさんは、「ここは高台になっていますし、給水場所も8箇所ありますから」と説明します。

これらの給水場所では、一日中、清潔な飲料水を求める人の列が途切れることはありません。

「他の緊急事態と同様、人々は、食糧や飲料水、避難場所の確保やトイレの設置といった、基本的なニーズを満たすための支援を求めています」こう話すのは、ユニセフのロベルト・デ・ベルナルディ副代表です。モザンビーク政府、国連機関、NGO組織は、こうした基本的なニーズに対応するために、現在、24時間体制で支援活動にあたっています。

保健、栄養、子どもの保護

避難される方々の数が増加するにつれ、保健や子どもの保護の問題のリスクも高まっています。「多くの人々が、こうした厳しい状況の中での生活を余儀なくされている時には、十分な飲料水と衛生設備(トイレ)、保健分野の支援を確実に実施しなければなりません」国連の人道支援作業グループのロラ・カストロ議長も、こう説明します。

子どもの身体的、そして精神的な健康は、キャンプのような環境の中では、特に懸念される問題です。ユニセフは、その支援活動の一環として、栄養価の高いビスケットや蚊帳、仮設診療所などの医療サービスを提供する拠点づくりに使えるテントなども提供しています。また、地元行政府と共に、行方不明の子どもの捜索や様々な形の虐待から子どもと女性を守るための保護活動も展開しています。

また、ユニセフは、適切な衛生習慣や母乳育児、HIV/エイズの予防法を啓発するため、キャンプを巡回するグループの活動も支援しています。キャンプでは、夕方になると、こうしたテーマを扱ったビデオの上映会が開かれています。

最も弱い立場の人々への支援

サラティエル・モオジンホシトエ君(16歳)は、キャンプでの生活を強いられている人々の中でも、特に厳しい立場にある人々のリストが読み上げられているところで、自分の名前が読み上げられるのを辛抱強く待っています。サラティエル君は、名前が呼ばれると、ほっとため息をつき、基本的な家庭用品が入った大きな袋を受け取りにいきます。

サラティエル君は、着の身着のまま、何も持たずに避難してきました。洪水の知らせを受けた時、友達と一緒に、すぐにここに避難したと話します。「家族を探しに行くお金はありません。だから、家族が今どこにいるのかも分かりません」「叔母に電話をかけようとしましたが、電話は繋がりませんでした。どこにいるのか分かりません」(サラティエル君)

サラティエル君や、彼と同じような境遇に置かれている多くの子どもたちのために、ユニセフは、マットや食器、調理器具、毛布などが一つになった支援キットも配付しています。ユニセフのマリアン・ミュージ子どもの保護担当官は、この支援キットは、震災前から貧しく、そして今、持ち物も家族も失ってしまったサラティエル君のような状況に置かれている方々のための支援物資だと語ります。「こうしたキットの内容は、避難を余儀なくされた人々が数週間過ごせるように作られた支援物資と、基本的には同じものです」

夜になると、家を失って途方にくれている人々も、支援活動に当たっている人々も、休む場所を求め始めます。最悪な状況はまだ終わっていません。行方不明者の捜索作業が続く中、一人でも多くの命を救うために、一層の支援が、緊急に求められているのです。

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