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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ミャンマー西部 ラカイン州で武力衝突が再発 子どもたちが避難民に

【2013年10月8日 ミャンマー・ヤンゴン発】

9月29日、ミャンマー西部のラカイン州南部の町サンドウェイで、住民同士の武力衝突が発生しました。発生直後、事態は鎮圧されていると一旦は報告されましたが、その後の報告で、10月1日に再び衝突がおこり、さらにサビュチェン、パウットー、シウェーライ、メーチュンといった他の町にもその余波が広がっていることがわかりました。衝突が起きた地域では110棟あまりの家が破壊され、死者も報告されています。

ラカイン州では、2012年6月からラカイン族仏教徒とロヒンギャ族イスラム教徒との対立に伴い、住民同士の衝突が起きており、ついには政府が緊急事態宣言を発令するまでに至りました。当初の衝突では7万5千人の人々が土地や家屋を失い、同年10月におきた2回目の衝突では、さらに3万6千人が避難を余儀なくされました。

■衝突の再発、避難民の更なる増加

最近起きている新たな衝突により、避難を余儀なくされる人々がさらに増えています。ラカイン州の多くの住民は、2012年の衝突により避難し、安全が確保できないことから、未だに自宅に戻ることができません。今回このような衝突が再び発生したことにより、新たに避難する家族が増え、また、昨年から避難生活を続けている家族にとってもさらなる脅威となっています。

「武力衝突が発生し人々が住み慣れた家を追われると、避難した子ども、そして、受け入れ先の子どもの両方が苦しむのです。避難を余儀なくされた子どもたちは、家族と離れ離れになったり、家庭内暴力を受けたりするリスクがはるかに高くなります。学校に通えなくなり、身体的にも精神的にもダメージを受けるケースがほとんどです」とヤンゴンにあるユニセフ・ミャンマー事務所のバートランド・バインベル代表は語ります。

現在ミャンマーでは、様々な改革が進められていますが、ラカイン州で1年以上続いている住民間の衝突による対立が、それらの進捗を妨げたり、リスクにさらしたりするのではないかと、ユニセフは懸念しています。もしそうなれば、ミャンマーのすべての子どもたちに、遺恨を残す可能性があります。

■子どもの権利侵害に対し適切な処罰を

© UNICEF Myanmar

ユニセフは、最近の平和と安定、法の支配への動きと衝突をひきおこしたとされる容疑者たちの逮捕を歓迎していますが、子どもの権利を侵害したすべての加害者、特に子どもたちへ暴力を振るった加害者に対し、責任の追及が行われ、法に照らし処罰されることを求めています。

「ミャンマーの子どもたちの名にかけて、今が、この暴力を止めさせる時なのです。憎悪に満ちたメッセージや、扇動的なプロパガンダがあると、暴力の連鎖は止みません。そして暴力の影響を誰よりも受けるのは、子どもたちなのです。ミャンマーの子どもたちが希望ある未来を手にすることを望むのであれば、平和構築や和解へ向けた行動が何よりも優先されなければなりません。そして、彼らには希望ある未来を手にする権利があるのです」 とバインベル代表は言います。

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