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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

パキスタン: サイクロンYemyinによる洪水被害の被災者は250万人に

【2007年7月19日 ジュネーブ発】

© UNICEF Pakistan/2007
洪水でもっとも大きな被害を受けた地域のひとつ、バロチスタン州のケチ地区のようす

6月下旬、サイクロンYemyinによる豪雨が引き起こした洪水によってパキスタン南西部のバロチスタン州とシンドゥ州では大きな被害が発生。死者296名、行方不明者195名のほか、37万人を超える人々が住む家を失いました。被災者の数は合計で250万人を超えると推定されています(数値はパキスタン国家災害委員会発表)。

被災地の人々は、親類などの家に身を寄せている一部の住民を除いて、学校や道端に急遽作られたシェルターに避難、焼け付くような暑さや埃の中、厳しい避難生活を余儀なくされています。

© UNICEF Pakistan/2007
ケチ地区に設けられたナジル・アバド避難キャンプ。

もっとも大きな被害を受けたバロチスタン州の状況は安定化に迎い、ジャファラバードやナジラバードの村々を襲った洪水の水は徐々に引き始めています。緊急支援物資も、当初アクセスすることができなかった僻地の村々も含め、すべての被災地に届きつつあります。カンベル地区でも状況は改善に向かいつつあり、アクセスが絶たれていた村々に緊急支援物資や医療サービスが届き始めています。一方、ダドゥ地区では、洪水の水が残る中、人々は以前として緊急支援に頼る避難生活を強いられています。

ユニセフは保健、栄養、水と衛生、子どもの保護、教育の分野で緊急支援活動を展開。7月19日現在の活動状況は以下のとおりです。

ユニセフの対応

バロチスタン州

保健

  • 7つの被災地区ではしかの予防接種キャンペーンを実施すべく、計画策定と予算組みを完了。ジャファラバードではすでに予防接種活動が始まっています。
  • バロチスタン州政府が設立したコレラ対策委員会のメンバーとして、啓発用リーフレット10万枚を作成。同時にコレラ治療用の医薬品も提供する予定です。

栄養

  • 被災地において、およそ100トンの食糧を子どもや女性に配布。また、母乳育児促進のための啓発キャンペーンを引き続き実施しており、リーフレット13万枚の配布などを行っています。

子どもの保護

  • バロチスタン州の被災9地区において、親を亡くした子どもや家族と離れ離れになってしまった子ども、独身女性の状況調査を今週末までに完了。来週からデータの集計・分析が始まります。また、すでに配達済みのビスケット445カートン、折りたたみ式ベッド99台と毛布320枚に加え、子ども用の衣服と靴100人分をバロチスタン州の社会福祉省に提供しました。

水と衛生

  • ユニセフはバロチスタン州の公衆衛生技術局と覚書を締結、被災地における水と衛生分野の対策にあたることになりました。総予算42万5,000米ドルにのぼる対策では、技術的支援のほか、被災者11万5,000人への水の供給と水道施設50カ所(約12万5,000人が利用)の修復などが行われます。
  • 米国セーブ・ザ・チルドレンとの間で州レベルのプロジェクト協力に合意。50カ所の浅井戸の修復や適切な衛生習慣の普及にあたります。
  • ユニセフはすでに開始している給水事業を引き続き実施、11万5,000人の人々に水を届けています。また、ケチ地区での配布用に、浄水剤5万袋(4,000世帯分)を提供しました。

緊急支援物資

  • ジャル・マグシ地区当局に対して、240パックのビスケット、毛布100枚、靴100足、および100組の衣料を提供。ユニセフ・クエッタ事務所ではさらに、イスラマバード事務所に対して、トイレ用厚板、浄水用の錠剤、ジェリー缶、水タンク、手押し式ポンプ、浄水用フィルター、衛生キット、防水シート、および石けんなどの緊急支援物資を要請しています。

教育

  • バロチスタン州16地区の学校の被害状況の調査を完了しました。

シンドゥ州

ダドゥ地区において、合同調査を実施中。また、調査チームは、避難キャンプのニーズ調査も実施しました。

子どもの保護

  • 親を亡くした子どもや家族と離れ離れになった子ども、独身女性の詳細な状況調査をカンバル地区で実施中です。

水と衛生

  • 19日、石けんやジェリー缶、トイレ用の厚板、防水シート、浄水フィルターなどをターディープ農村部開発プログラム(TRDP)に提供しました。

 

これらの緊急支援活動を支えているのは、皆様からの温かい募金です。特に、定期的な募金は、大きな支援に結びつきます。定期的な募金によって、息の長い、長期的な支援が可能となるからです。皆様の温かいご理解とご協力をお願い申し上げます。

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