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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

<2003年4月15 日掲載>

東部サマルの複式学級(フィリピン)
<フィリピン>


ビヤサン・フォーラムの図書館にいるエレナ 東部サマルの内地、起伏のある荒地。ここで暮らす子どもたちはあちこちに散らばっていて、地域による子どもの人口も均一ではありません。ここで、1学年ごとにクラスがある公立学校を設立するのは、費用もかさみ、あまり効率的ではありません。それでも、東部サマルの597地区の90%には小学校があります。これは、複式学級の学校です。この県の245校が複式学級で、不十分な学校システムを完全にするためにとても役立っています。

複式学級は、年齢や能力の異なる子どもたちが、ひとりの教員の指導のもと、ひとつの教室で一緒に学びます。これらの学校は、予算や人員が限られている人口密度がまばらな地域で、教育を提供する効果的な方法です。(通常、教育省は、15人の児童に対してひとりの教員という割合、1クラスには同じ学年、ひとりの教員、ひとつの教室が割り当てられるようにすすめています)

マリタ・オダン(24歳)は、新しい複式学級の先生のひとりです。彼女は今、東部サマルのジェネラル・マッカーサー市にあるアグィナルド小学校に配属されています。

オダンは、この新学期から合計で39人の児童を教え始めたところです。このうち21人が3年生で、18人が4年生です。そして、彼女は、ボランティアとしてこの仕事を始めました。つまり、正式な配属を待つ間、給料も手当てもありません。

資格のある教員をボランティアとして雇うことは、経験のある複式学級の教員不足という問題の短期的な解決方法です。こうした一時的な方法が、小学校を完全に運営することにつながり、教員にとっては、正式な配属と安定した給料、そして安全性のある職業を待つ間、教育的経験に対する自らの信頼を高めることにもなります。

毎日の生活でいっぱいいっぱいの教員にとっては、長期にわたる目標に集中しつづけることが難しい一方、オダンのような自分の職を愛する教育者にとって、ボランティアのポストを受け入れる理由は明らかです。「お給料はもらえないけれど、子どもたちに教えたい」と彼女は強調します。「私は、私の知識を彼らに分け与えたいのです」

マニラ 2003年3月31日(UNICEF)

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