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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

フィリピン:台風直後での清潔な水の確保

【2013年1月11日 フィリピン発】

© UNICEF video
ポンプから引き上げた水を手に持つ男の子。幼い子どもと母親、障害がある人など厳しい立場にある人々への支援を最優先しています。

「経験上、壊滅的な嵐や洪水に見舞われた直後は、水源が被害を受け、その結果、水不足と水の汚染が引き起こされることを知っています。ユニセフにとってこの緊急の課題は、人々と、特に子どもたちの健康の問題に繋がるものです。汚い水は、下痢性疾患の蔓延、その他の水を媒介とする疾患を引き起こしかねないのです。(ユニセフ・フィリピン事務所のティム・グリーブ水と衛生担当官)

大型の台風24号(現地名「パブロ」・国際名「ボファ」)の通過直後から、ユニセフは、フィリピン政府と共に、ミンダナオ島東部・南部の最も被害の大きかった地域で緊急調査を実施。すぐに、水と衛生の分野に課題があることが明らかになりました。多くの家屋と水源が被害を受け、倒壊したり、汚染されたりしていたのです。

ユニセフは、備蓄してある水と衛生キットを急送した他、簡易トイレを設置するための資材も配布しました。

最も弱い立場にある人々を最優先に

支援物資を急送するとすぐに、こうした支援物資を効率的に配布するための現場のシステムが機能しているかどうかを確認する必要性が生じました。

「システムが整っていないと、支援物資を届けても役に立たなくなってしまうかもしれません。最も必要とされているものを最適なかたちで届けることが支援の恩恵でもあるのに、その利点が損なわれてしまう場合があるのです。そのため、私たちは、最初に人々の登録を行い、幼い子どもと母親、そして障がいがある人などの最も厳しい立場にある人々を最優先に支援することを可能にしています。こうした人々は、病気や疾患に感染する最も高いリスクにさらされているのです」グリーブ水と衛生担当官はこう説明します。

電力や通信手段は切断され、被災地へのアクセスも難しい状況です。地元当局は、現在最も必要とされているニーズに対処するべく最善を尽くしていますが、被害は、その対応能力をはるかに凌ぐ規模です。飲料水、食料、避難所、衣類、医薬品、トイレが緊急に求められています。

現場での支援活動の統括

現場で、日々、支援活動を取りまとめているのは、コンポステラ地区の衛生検査官であるアービン・カティエンザさんといった地元当局の人々です。

カティエンザさんは、刻々と変わる状況を監視し続けていることを、次のように説明します。「私の主な業務は、安全な飲料水を確保することです。そのため、下痢性疾患のような病気の流行を防ぐために、ユニセフが支援している水と消毒液のハイポソル(HypoSol)はとても有益です。毎日、朝の7時に体育館に行っています。あそこには、たくさんの人々が生活していますからね」

カティエンザさんは、この数週間のストレスを隠さずに付け加えます。「州の衛生チームの一員である我々は、本当に最善を尽くして努力しています。しかし、コミュニティの参加が非常に求められています。私が全ての仕事を上手く調整することはできません。今までのところ、人々は協力的でいてくれています。非常に上手く機能しています。(下痢性疾患の)誘発要因はありますが、流行を引き起こすには至っていません」

下痢性疾患蔓延への対策

ユニセフのマイケル・エマーソン・グニロ水と衛生担当官によると、「長期にわたり、避難センターが多くの人々の仮の住まいとなった時、トイレや手洗い場の不足、故障の問題がしばしば課題となります。これにより、屋外での排泄を誘発したり、衛生習慣の欠如が引き起こされるだけでなく、特に汚染された場所の近辺で遊ぶことになる子どもたちにとっての危険が発生します。

ユニセフは、世界保健機関(WHO)、フィリピン保健省と協働で、報告されている下痢性疾患の症例を注意深く監視しています。また、下痢性疾患の流行について迅速に対応するため、パートナー団体に経口補水塩150箱を発送しました。

また、ユニセフは、パートナーと共に、コンポステラ渓谷や東ダバオ州の甚大な影響受けた沿岸の村落に、147基以上のトイレを設置しました。

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