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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ソマリア:武装勢力に狙われる子どもたちの生命線

【2009年8月13日 ソマリア発】

© UNICEF/NYHQ2009-0204/Ysenburg
ソマリア、ジョハールの避難民キャンプで、調理せずに食べられる栄養補助食品を子どもに与える女性。

ユニセフとともに緊急支援活動を展開しているNGOが、支援物資を保管するためにソマリアのジュバ川下流に設置していた倉庫が武装勢力に襲われたため、子どもたちの命を守るために極めて重要な栄養補助食品の配給に遅れが生じています。

今回の被害は、栄養補助食品約246トンと重度の栄養不良の治療に使われる食品約640トン。3ヵ月前、ジョハールのユニセフ現地事務所が武力勢力に襲われ、多くの支援物資や通信機器が略奪、破壊されて以降、ソマリアでは、こうした被害が続いています。

「こうした支援物資の多くは、非常に慎重に扱われる必要があります。専門的な知識を持ち訓練を受けた人の手により、子どもたちに適切な用量が処方されなければなりません。ですから、こうした物資が転売されたり、どこかで(専門家以外の手によって)配られていたりしたら、それは、子どもたちを別な危険に晒すことになりかねないのです。」ユニセフのコールトン代表は話します。

今回略奪された物資は、ソマリア中央・南部に暮らす中度あるいは重度の栄養不良にある8万5000人以上の子どもたちに届けられる予定でした。

ソマリアは、世界で最も幼児の栄養不良の割合と乳児死亡率が高い国のひとつ。6人にひとりが急性栄養不良で、10人にひとりが1歳の誕生日を迎える前に命を落としています。

「7日から10日遅れても、何とか遅れを取り戻すことができます。しかし、1・2ヵ月経過してしまうと、子どもたちは非常に危険な常態に晒されることになります。」コールトン代表はこのように話しました。

今回の襲撃により、10万人以上の女性と子どもたちに向けたマラリア予防のための蚊帳の配布も、中断を余儀なくされました。

求められるスタッフの安全確保

ソマリアの人口の半数近くの人々が、人道支援を必要としています。長年情勢が安定していたにも関わらず、ここに来て緊張が高まっている北部。武力衝突が続く首都のモガデシュ。長引く避難生活を強いられている人々。ユニセフをはじめとする人道支援組織の活動は、ソマリアにとって、なくてはならないものとなっています。

ソマリアで活動する100を超えるNGOや、地元の組織が展開する支援活動には、ユニセフの支援物資や技術支援は欠かせない存在です。こうした組織が、武力衝突や干ばつ、テロ、避難生活を強いられているソマリアの女性と子どもたちに、様々な社会サービスを提供してきたのです。

こうした状況の中でも、特定の地域の自治組織が同地域内で人道援助スタッフの安全を保障している地域では、多くの支援活動が続けられています。しかし、突発的な武力衝突などが頻発する中、物資の供給、流通路の確保、専門家の派遣といった活動に深刻な影響を与えています。

「子どもや女性の命を守るため、ユニセフが提供している支援物資が盗まれたり、略奪されたりしないように、ソマリア国内の全勢力が、ユニセフをはじめとする人道支援団体に対し、確固たる安全の保障と活動の自由の確保を求めています。」(コールトン代表)

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◇ 募金のお願い ◇

 財団法人日本ユニセフ協会では、アフリカの子どもに対するユニセフの緊急援助を支援する「アフリカ緊急募金」の受付を行っています。皆様のご協力をよろしくお願い致します。

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