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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

南スーダン:内戦危機
小学校卒業試験を受ける10代後半の子どもたち

【2014年1月14日 南スーダン共和国・ジュバ発】

© UNICEF South Sudan/2014/Kolok
「武力衝突は、試験の手ごたえに明ら かに影響しています。兄弟4人、友達1人 を亡くし、自宅から避難する際、持っていた本すべても失いました」 と語るガトゥラック・トゥン・ガトゥラック さん(19)

今週、南スーダンの首都ジュバの国連施設二か所で、小学校の卒業試験が実施されています。12月16日の武力衝突から約1か月。自宅を離れ、施設内に避難している子どもたちのうち450名も受験しています。

先月の武力衝突により、中学校進学に必須である卒業試験は延期されていました。

依然として厳しい情勢が続く中、4,905人が試験を受けています。ユニセフは、ジュバのある中央エクアトリア州の教育省、科学技術省と国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)と共に、キャンプに避難している子どもたちがこの重要な機会を失わないようにすることを確認し、試験の準備を進めてきました。

試験は今週いっぱい行われ、1月17日(金)に終了します。

この試験を担当するウスタズ・ワニラドュ部長は「先月の試験日前夜に戦闘が始まったため、ジュバの受験生たちは、試験を受けられませんでした。州の教育省と科学技術省は、避難している子どもたちを含め、子どもたちが受験できることをうれしく思います。試験期間中、ジュバの情勢が平穏であることを願っています」と述べました。

本試験は小学校の卒業試験ですが、受験生の多くは17〜19歳です。この子どもたちは、小学校学齢期には、北部で長年にわたるスーダンとの紛争があったため、教育を受けられませんでした。今回の卒業試験で、ようやく初等教育修了となる予定でしたが、武力衝突によって、再び教育が奪われかねない状況です。

英語の試験を終えたガトゥラック・トゥン・ガトゥラックさん(19)は「武力衝突は、試験の手ごたえに明らかに影響しています。兄弟4人、友達1人を亡くし、自宅から避難する際、持っていた本もすべて失いました」と語りました。

ユニセフ・南スーダン事務所のイヨルムン・ウハア代表は「小学校の卒業試験を受けることは、教育において重要な節目です。最も困難な状況に置かれている中、教育を求める若者たちの勇気と決意に感銘を受けています。ユニセフは、この若者たちの中等教育と未来のために、できうる限りの支援を行います」と述べています。

■参考情報:南スーダンの教育に関する統計(出典:ユニセフ『世界子供白書』2013)※
総人口:1031万4千人、初等教育純出席率:男32%、女25%、小学校に入学した生徒が最終学年まで残る割合:65%、中等教育純出席率:男8%、女4%

※2011年7月にスーダンから独立し、7月14日に国連加盟したため、スーダンと南スーダン、それそれ一国としてのデータは入手できないものがある。記載されたデータの統計は、南スーダン独立前の統計を使用。

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