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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

<信濃毎日新聞 2005年12月13日掲載分>

災害復興通じ教育の状況改善
<スリランカ>

仮設教室で授業を受ける子ども達(スリランカ・ゴールにて)

昨年末に発生したスマトラ沖地震と津波で被災したスリランカ。被災地の一つである南部のゴールでは、いまだ多くの人が仮設住宅やテントで生活しています。海岸の近くは緩衝地帯とされ家が再建できず、新しく住む土地が決まっていない人も多いのです。

被災後、1週間ほどで避難キャンプができ、家を失った人がテントでの生活をはじめました。現在は、木造の壁にトタン屋根の仮設住宅も建設され、人々は徐々にテントから仮設住宅へ移っています。仮設住宅の建設、ベッド等の家具の提供、電気の敷設など、国連機関やNGOなど様々な組織が協力して支援をしてきました。ユニセフは特に水と衛生の分野で専門的な力を発揮し、トイレやシャワールーム、洗濯場の建設やバキュームカーを提供しました。多くの組織が支援に携わっているため、支援全般の調整も行っています。住民による運営委員会によってごみ捨てや清掃分担などのルールが決められており、仮設住宅やキャンプは明るくきれいに整備されています。

避難キャンプへは子どもたちが遊べるようにスポーツ道具などがつまったレクリエーションキットがユニセフから送られました。又、キャンプ内でスリランカ伝統の人形劇を開催するなど、子どもたちの心をケアするための支援もしています。

ユニセフは、被災した学校も支援しています。幸い、津波当日は休みだったので、学校で被災した児童はいませんでした。それでも、家にいて被災した子どもは多くいます。海岸近くにある学校も、備品が流されるなど被害を受けました。

被災直後ユニセフは、仮設教室の建設や机やいす、教科書、通学かばん、制服を提供しました。ゴールのラトガマ小学校は、今は仮設教室も使いながら授業が行われていますが、ユニセフの支援で来年2階建ての校舎が完成する予定です。

新しい学校は、緑に囲まれ、音楽やダンスをする教室が新しくできるなど、子どもたちの意見も反映された学校にする計画です。1,000人の児童がいるのに今までは教員用も含めてトイレが6しかありませんでしたが、24に増設される予定です。

スリランカでは、特に紛争の影響を受けた北東部の地域で、途中で学校をやめてしまう子どもちが多く、学校へ通っていても成果が身についていないなどの問題がありました。新しい学校は教員の研修や、地域や親の学校運営への参加促進を通じて、このような、もともとある問題に対しても対処していきます。

人々の自立を助け、保健や教育などの社会サービスをより良い状況へ改善していくこと。大災害を乗り越え、それを一つの機会として社会を変えていくこと。復興支援活動はまだまだ続きます。

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