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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

鳥インフルエンザの拡散を防げ!
タイの村で活躍する若者たち−鳥インフルエンザ・バスターズ

【2007年1月25日 タイ ウドン・タニ発】

© UNICEF video
タイ北東部にて、鳥インフルエンザの拡大を防ぐため、鳥がウィルスに感染していないかどうかを検査する保健員。

タイ北東部、ウドン・タニ州のバン・ヌン・ワン村。この村の通りを、鶏に扮したおとなや子どもたちが行進していきます。「死んでいる鳥には触らないで、食事前には手を洗って。種類の違う鳥は一緒にさせないで。死んだ鳥を見つけたら知らせて。食べ物はよく加熱して」。鳥インフルエンザが広がらないようにするためにはどうしたらよいのか? 一行は簡単なメッセージが書かれたバナーをはためかせ、口々にスローガンをとなえながら行進していきました。

色とりどりのパレードを見ようと、村人たちも家の中から出てきました。村の人々は、木製ポーチの上で真昼の暑さをしのぎながら、楽しげな行進のようすに目を奪われつつ、そのメッセージを真剣に受け止めました。「ちょっとは鳥インフルエンザのことは知っていたけど・・・」と62歳のブンチャード・カムアンさんは言います。「でも、何が安全で何が危険なのか良くわかっていませんでした。情報が沢山ありすぎて混乱していたけど、このメッセージは明確なので良くわかりました」

子どもにもわかりやすいメッセージ

ユニセフは、日本政府からの資金援助の下、2006年初頭より鳥インフルエンザの拡大を防ぐ戦いの最前線に立ち、広報・教育活動のために200万米ドルを超える資金をパートナー団体に提供してきました。

おとなへの教育ははじめの一歩に過ぎません。本当のハードルは、保健に関する難しいメッセージを、子どもたちのためにやさしく言いかえてあげることです。子どもたちは、危険性に気づかないまま鳥と一緒に遊んだりその羽を遊び道具にしてしまうので、より大きな危険にさらされているからです。

ユニセフは、タイ全国の学校の1200万人の子ども全員に配布できるよう、鳥インフルエンザに関する冊子やパンフレットを2百万部製作し、教育省に提供しました。これらの資料は、明るい色彩と簡単な文章を使ってデザインされ、魅力的で子どもたちが簡単に理解することができるものになっています。ユニセフはまた、全国の学校で鳥インフルエンザの授業が他の科目とともに行われるように、カリキュラムの策定や先生のトレーニングといった面でも教育省をサポートしました。

「鳥インフルエンザ・バスターズ」
© UNICEF Thailand/2007/Few
‘バン・ヌング・ワン村の学校で、歌や踊りを通じて鳥インフルエンザ感染予防のメッセージを伝える「鳥インフルエンザ バスターズ」の若者たち。

鳥インフルエンザ発生の危険性がとくに高いと考えられている地域では、「鳥インフルエンザ・バスターズ」と呼ばれるチームが地域の小学校を定期的に訪れています。バン・ヌン・ワン学校でも、数百人の子どもが講堂に集まり、公衆衛生省の訓練を受けたボランティアの若者が、鳥インフルエンザ・ウィルスの知識を伝える歌を歌ったり、ゲームやクイズをしました。初めは恥ずかしがっていた子どもたちも、最後には全員が、衛生や安全に関するクイズに答えようと手をあげるようになりました。

「子どもたちは、病気の鳥や死んだ鳥の危険性を知らないのでとくに危険なのです」。地元の「鳥インフルエンザ・バスターズ」グループのリーダー、サンサニ・シータンカム(15歳)さんはこう言いいます。「私たちは、子どもにも理解できるように情報を伝えています。子どもたちのお父さんお母さんにも教育を行い、彼らが子どもに正しい事実を伝えらえるようにしています」

鳥の「健康パスポート」
© UNICEF Thailand/2007/Few
鳥インフルエンザのクイズに答えるバン・ヌン・ワン学校の子どもたち。

ユニセフはまた、闘鶏の移動や試合への参加にあたって鶏の「パスポート」を要求する政府の方針を支援しています。以前は、闘鶏養鶏業者は自慢の鳥が病気にかかっても、それを報告することには消極的でした。そうした闘鶏は、この地方の平均年収のおよそ2倍にあたる、3,000ドルにものぼる価値があるかもしれないからです。しかし、このような鳥は町から町へと移動するため、特に鳥インフルエンザに感染する危険性が高いのです。バン・ヌン・ワン村でのパレードの日、闘鶏の養鶏業者は闘鶏の「パスポート」を申請しようと、地元の寺院の敷地に集まっていました。

絶対確実な保護対策はない

「うちの闘鶏は、子どもと同じくらい大切です」闘鶏を育てているスリン・エアムソディーさんは言います。「家族の一員も同然です。もし鶏が病気になって処分しなければならなくなったら、どうしたらよいのか・・・」

数分の間に保健員がエアムソディーさんの鶏の重さを量り、写真を撮り、鳥インフルエンザに感染していないかどうかを調べるテストをすませると、「黒いダイアモンド」という名前が記されたパスポートが発行されました。エアムソディーさん自身、鳥インフルエンザ・ボランティアとして登録しました。他の養鶏家に情報を提供し、鳥インフルエンザの症状を報告するよう呼びかけることが役割です。

現在のところ、鳥インフルエンザ感染を防ぐ絶対確実な方法はありません。しかし、このような対策を通じてコミュニティや子どもに危険を最小限にとどめるための知識を伝えることによって、鳥インフルエンザの危険にさらされる命をひとりでも減らすことができるのです。


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