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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

2003年5月7日≫

子ども国会: 「子どもにふさわしい世界」をつくろうと呼びかけ
<トルコ>

2003年4月20日、トルコ の“子ども国会議員” 550人は、「子どもにふさわしい世界」をつくるための、国家行動計画の草案を承認しました。トルコ国内の9歳から17歳の81地域を代表する子ども議員たちの中には、障害のある子どもも含まれていました。子ども議員らは自分たちの経験を共有しながら、「子どもにふさわしい世界」(国連子ども特別総会の最終採択文書)にうたわれた4つの大きな目標—健康的な生活の促進、質の高い教育、搾取・虐待・暴力からの子どもの保護、HIV/エイズとの闘い—についてアンカラで2日間にわたって議論しました。子どもたちは、さまざまな省庁のおとなたちのグループが作成した国家行動計画の草案を吟味し、自分たち自身の意見を加えました。

子ども国会のようす
子ども国会のようす

 4月20日、アンカラの国会議事堂で、トルコの現職国会議員に代わって席に着いた550人の子ども国会議員たちは、公式議会を開きました。子どもたちは議長を選出し、現職の国会の副議長が、子どもたちが議事に従って会議を進められるようサポートしました。閉会時には、トルコ南東部にあるウルファ出身の15歳の子ども議員が、多数決で採択された閉会宣言を読み上げました。

 今回のトルコ子ども国会は、ユニセフ・トルコ事務所の支援のもと、2回目の開催となりました。第1回トルコ子ども国会は2002年に開かれています。トルコではこうした子どもの生活にかかわる決定に、子どもたち自身が意味ある参加をすることが重要視されています。これまで4年間にわたり年1回のペースで「子どもフォーラム」が開かれています。2002年11月に行われた「子どもフォーラム」では、子どもたちが国家行動計画の最初の草案をつくりました。この草案の内容は、トルコ政府の国家行動計画案の中に盛り込まれた後、子ども国会に再提出されました。

 子どもたちの参加を最大限活用することは、おとなの世界をあらためて見直すことにもなります。子どもたちは、自分たちの能力を伸ばし、みがけるように促され、民主的な価値観を実践に移します。そして、おとなたちがどれだけ子どもたちと、支配力、権力、決定権、情報を共有できるか、ということも問われます。子どもたちは、子ども国会で、機会さえあれば「私たちは現職の国会議員よりもずっとうまく国を治められます。」と、はっきり述べているのです。

  • アタチュルク、偉大なるこの国の創始者は、子どもについて国家の日を定めた最初にして最後の指導者でした。4月23日は、独立記念日であり、子どもの日でもあります。これにより、彼は、私たちすべてに子どもをどれだけ重要な価値あるものと考えているかを示しました。今日、私たちは、私たちの指導者たちによって早くから築き上げられた自信と信頼をもってここに集いました。
  • 2002年5月にニューヨークで開かれた国連子ども特別総会を思い返します。総会は、1990年の子どものための世界サミットでなされた約束についてどれだけの進展があったのかを評価し、同じ分野での将来の行動に対する計画が策定されました。トルコもこの特別総会に代表を派遣しました。過去10年に対する全般的な評価に加え、総会では“セイ・イエス・フォー・チルドレン”キャンペーンの成果についても議論されました。トルコでは、人口の4人にひとり、つまり1600万人が、このキャンペーンで“イエス”を約束し、子どもに関する課題への関心をはっきりと示しました。人びとは、子どもに対して“イエス”を示すとともに、最優先課題に教育を挙げました
  • 国連子ども特別総会で世界各国からの代表が採択した文書「子どもにふさわしい世界」を思い返しましょう。トルコは今、この文書に沿って、関連政府団体や市民社会の各団体と協力し、「国家行動計画」の草案を準備しています。国家行動計画は、次の4つの主要なテーマを掲げています。「健康な生活の推進」「質の高い教育」「HIV/エイズとの闘い」「搾取、虐待、暴力からの保護」 私たちの意見とコメントが付け加わった後、この計画はすぐに首相と大統領に報告されるでしょう。
  • 教育の重要性は、国家行動計画の4つのテーマのひとつとして自明のものです。女子への教育は特に重要です。教育を受けた女子は、教育を受けた母を意味します。そして教育を受けた母は子どもに教育を受けさせます
  • 教育を受けた女性は、家族にも国家にも貢献します。教育を受けた母とは、つまり健康な子どもをも意味します。
  • 「搾取、虐待、暴力からの子どもの保護」のテーマに関連した課題のひとつは明らかに戦争です。戦争は人間が起こす災害であり、すべての災害の中でも子どもを直接・間接的に傷つける最悪のものです。私たちは、子どものコンピュータゲームやおもちゃの中に暴力をけしかけるものがあり、多くの子どもたちに使われているということを忘れてはなりません。尊敬する国会議員のみなさん、子どもたちをそうしたゲームやおもちゃから守り、そうしたものが売られないように、一緒に呼びかけていきましょう。
  • 私たちはまた、次のようなことも呼びかけます。
  • 子どもの両親は、法律上のトラブルがあったとき、子どもを搾取、虐待、暴力から子ど守る第一の責任者です。
  • そうした子どもたちやその事件が警察や憲兵によって尋問されるのでなく、子どもや若者の心理についてトレーニングを受けた人びとによって行われるようにしなければなりません。
  • 子どもをひどく扱ったり虐待したりしないよう、関連する法的な整備が必要です。
  • そうした子どもや18歳未満の若者を含む法的ケースは、専門の少年裁判所が扱い、その子どもや若者には犯罪歴が記録として残らないようにしなければなりません。
  • 少年の社会復帰のためのセンターの数を増やして、子どもたちが家族やコミュニティ、諸機関と緊密な関係を保てるようにし、また、保健サービスや、教育、安全が確保されるようにしなければなりません。
  • 私たちはまた、何らかの法的手続きによって学校から引き離された子どもたちが、再び公式な教育施設に戻れるようにする、何らかのシステムの導入が必要だと考えています。
  • 全体として考えたとき、国家行動計画は、私たちが子どもたちに対して何をしなければならないかを示す文書です。従って、その実施は非常に重大な意味を持っており、子どもの最善の利益のために実施される大きな任務です。この行動計画の実施は、女子教育など多くの子どもに関わる課題を浮かび上がらせることになるでしょう。私たちは、実際の生活で子どもの権利がすべて実現されたと言えるときは、この計画がすべて実施されたときだと信じています。

2003年4月20日 アンカラ(ユニセフ)

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