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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたちは今

ウクライナ: 東部・クリミア情勢
子ども向けホットラインに1,378件の相談
クリミアからは7,200人が避難

【2014年4月30日 キエフ発】

デモ参加者数人が死亡したと報じる新聞を読む子ども
© UNICEF UKRAINE/2014/V.Musienko
デモ参加者数人が死亡したと報じる新聞を読む子ども。

緊迫した情勢が続くウクライナ。4月30日付のユニセフの情勢レポートから、現地の様子やユニセフの取り組みについて、最新の情報をお伝えします。

現地の様子

  • 東部での武力衝突と対立の激化を受け、4月24日、潘基文国連事務総長は憂慮の念を表明
  • ユニセフの緊急調査で、東部の若者と子どもが精神面で影響を受けていることが明らかに
  • 緊張が高まっている場所では、今後、教育に更なる影響が出る懸念も
  • クリミアの出入り口に設けられた検問所の前には長蛇の列、時に7〜10キロになることも
  • クリミアから避難してきた人たちの一部には、仮または定住用の住居を探す動き
  • クリミアから避難してきた人たちは、7,200人と増加中(UNHCR 4月29日付)
  • クリミアからの避難民が最も多いのは西部のリビフ州だが、収容限度を迎えつつあり、今後の受け入れには消極的
  • インフレで日用品の物価が上がる一方、政府による社会支出が減少し、生活に影響
  • 定期的な予防接種の実施率が、近年の中で極めて低くなっている
  • 今後もアクセス、リソースの面から厳しい状況が続くとみられているが、ユニセフはウクライナ政府に予防接種の優先度を上げるように働きかけている。特に1歳未満の子どもでポリオ予防接種を3回受けている子どもの割合が50%以下となっており、国際的にポリオの感染数が急増している中、懸念される状況に
  • ユニセフ・ウクライナ事務所は、現在の状況は国際人道危機といえないものの、明らかに子どもに影響を及ぼしている点を憂慮

ユニセフの支援活動

<人道支援ニーズ>

  • ユニセフは、南部と西部に新たに避難してきた人たち、特に子どもの状況把握を担う
  • ビニンツァでは、就学前・就学期のタタール系のクリミア避難民の子どもたちの、避難先での教育を含む状況(学習のみならず、子どもの居場所を含めた教育)が問題との報告
  • 一部では、避難している家族が地元社会の一部の人から差別を受けているとの報告
  • 大多数の避難民にとって、地域によって手続きなどが違うことから、社会福祉を受けることが問題に
  • 避難者は現在、避難先の自治体のサナトリウム(療養所)や夏のキャンプ施設に身を寄せているが、施設の明け渡しが最大の課題に(現在は避難先の自治体などが費用を負担)
  • 東部ドネツク州では一部の学校が閉鎖されており、スラビャンスクでは学校が開いていても、保護者が登校をためらい、出席率が低い状況

<ユニセフの取り組み>

  • 国内各地に避難している人たちの状況把握を行い、とりまとめる
  • 子どもたちの心のケアのニーズを把握するため、ドネツク州で200人の子どもたちを対象に個別・グループインタビューを実施予定
  • ユニセフは子ども向けのホットラインを支援し、ウクライナ全土から1,378件の相談を受ける
  • 相談内容を分析すると、ストレスと不安が見られ、テレビやメディアで報道される暴力行為が増えていることへの懸念もうかがえる
  • ユニセフは、ビンニツァ州のNGOと子ども78人、女性70人への個別・集団カウンセリングを実施
  • 避難世帯向けに、衛生用品や生活必需品を収めたキットや就学前の子どもたちのおもちゃなどを詰め合わせたキットを送付

数字で見る概況

  • ドネツク州の18歳未満の子どもの数 66万2,245人
  • ハルキフ州の18歳未満の子どもの数 41万6,442人
  • ルフハンスク州の18歳未満の子どもの数 33万4,455人
  • 東部3州の18歳未満の子どもの数 141万3,142人
  • クリミアの18歳未満の子どもの数 34万4,263人

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