メニューをスキップ
HOME > 世界の子どもたち > ストーリーを読む
財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

分校に複式学級 初の「5年生」誕生
<ベトナム>


 ベトナムのバンソック村キムドン地区分校に通う9人の小学5年生にとって、今日は特別な日です。いや、正確に言えば、キムドン地区の村人にとっても歴史的な日と言えるでしょう。新学期が始まる9月5日−この日、地区で初めての「小学5年生」が誕生したのですから。

地区に初めて分校ができたのは1972年。中国との国境に近い山がちのカオバン省によくみられる、ナー先生一人、児童数15人のほんとうに小さな分校でした。

ここで3年生まで学んだ子どもたちは、12キロ離れた本校の高学年クラスに編入されることになっていたのですが、片道3時間あまりの距離を毎日通うのは大変なこと。5年生まで学校を続けられた子どもは、これまで地区でひとりもいなかったのです。

こんなキムドン地区のために、ユニセフの複式学級プログラムが作られました。異なる学年の子どもたちが、一つの教室で一人の先生から学ぶためのものです。カリキュラムづくりや先生への研修、教材や自習帳の支給をユニセフが支援しています。

ナー先生夫妻がこの研修を受け、1、2、3学年と4、5学年の2クラスに分かれて授業ができるようになりました。高学年用の教室も必要になり、新しく校舎を建設したのは村人たち。机やいすも、手作りです。

ナー先生の情熱や村人たちの思いが形となったキムドン地区分校。今では校舎を使って、夜間におとなのための識字教室が開かれています。

1991年から96年までの5年間に、ユニセフの支援によってベトナム全国に6200の複式学級が作られ、14万人の児童が学べるようになったのです。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る