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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

イエメン:熱帯低気圧による暴風雨に襲われ、洪水の影響で数十万人が被災

【2008年11月5日 ニューヨーク発】

珍しく、熱帯低気圧による暴風雨に襲われたイエメン。この暴風雨による洪水の影響で、最大30万人が被災したと見られています。

洪水の中、足をとられないように歩く子どもたち。
© UNICEF Yemen/2008
イエメンで起きた珍しい洪水により、大きな被害を受けた地域のひとつ、ハドラマウト州のムカラ。洪水の中、足をとられないように歩く子どもたち。

ユニセフの推定によると、死者68名、3,300近くの家屋が洪水によって倒壊した模様です。約2万5,000人が、避難所へ避難を余儀なくされました。ハドラマウト州とマハラ州の被害が最大だと見られています。

ユニセフ・イエメン事務所のアブドウ・カリム・アジバデ代表によると、被害は、家屋、土地、家畜、作物と広範囲に及んでおり、人々は、倒壊した家から自分たちの財産を持ち出そうと必死になっていると言います。

「これは緊急事態です。国際社会の迅速な対応が必要です」と、アジバデ代表は訴えます。

洪水に不慣れな地域

ユニセフは、パートナーと共に緊急支援物資を迅速に被災地に送り込む努力をしています。飲み水を入れる容器、貯水タンク、衛生用品、毛布などです。

アジバデ代表は、この珍しい暴風雨は気候変動の影響によるものであり、この地域が洪水に不慣れなために被害が大きくなったのだと述べました。この地域の家屋は、土造りであるために大雨で流されてしまったのです。イエメンの降水量は、年間でも数インチに満たないのが普通なのです。

「イエメンは、約600年間、このような熱帯暴風に襲われたことはありませんでした。非常に稀なことなのです。」

何万人ものイエメンの子どもたちとその家族が、珍しい熱帯低気圧の影響による洪水被害に見舞われた。
© UNICEF Yemen/2008
何万人ものイエメンの子どもたちとその家族が、珍しい熱帯低気圧の影響による洪水被害に見舞われた。

子どもと女性たちは、汚い水を原因とした病気にかかるリスクが高まっており、厳しい冬を前に困難な状況を強いられています。初期の調査では、安全な水、毛布、衛生関連の品物、石鹸、食料、食料品以外の日用品が緊急に必要だと見積もられています。ユニセフが今回送り出した支援物資の中には、浄水剤、飲み水を入れる容器、毛布、石鹸、困難な生活の中で必要となってくるそのほかの日用品が含まれています。

「今回の自然災害は大きく複雑で、準備もないところに不意打ちをかけるものでした。そのため、政府や市民社会も手をこまねいている状態です」ユニセフ・イエメン事務所のアブドゥ・カリム・アジバデ代表は、支援物資が被災地に向かう前の晩にインタビューに答えて言いました。

ユニセフは、このほかにもコペンハーゲンの物流倉庫から浄水剤を空輸し、汚い水によって人々が病気になるのを予防する予定です。

「イエメンの子どもたちは通常でも栄養不良の状態にあります。そうした子どもたちが洪水の後の汚れた水で病気にならないようにする。それが、ユニセフの優先事項のひとつです。ハドラマウト州に送り出した支援物資には、飲み水を入れるための容器、貯水タンク、そして子どもや家族が、人々で混雑する臨時の避難所で必要となる基礎衛生関連の品物が入っています」とアジバデ代表。

こうした支援物資を被災後1週間以内に被災地の人たちに送り込むことが重要です。州政府がきちんと水関連の計画を立て、学校を早急に再開できるよう、ユニセフは今後、支援をより充実させる予定です。専門知識を持ったユニセフのスタッフたちが、ハラマウト州政府のもとに送り込まれており、地元の当局者と緊密に協力して、子どもと女性のニーズが優先的に満たされるよう活動を続けています。

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