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財団法人日本ユニセフ協会






アフガニスタン緊急・復興支援 第17報
日本政府からの支援で1000の教室キャンペーン実施

【2011年7月5日 アフガニスタン・カブール発】

© UNICEF video
日本政府の支援によって行われた「1000の教室キャンペーン」の一環として設置された新しいアフタニスタン・カブールのシリノ高校の女の子。

新しい教室に新しいいすや机。これはアフガニスタン・カブールにあるシリノ高校に、より良い教育がもたらされたことを意味しています。この学校は、日本政府からの支援を受けて行われた「1000の教室」キャンペーンの一環として、改修・修繕された学校のひとつです。

「去年は、たくさんの問題がありました。教室がなく、子どもたちは、日差しを浴びながら外で座って勉強していたんです。」シリノ高校のカマール・ハディ校長先生はその当時を思い出して話します。「生徒のいすも机もありませんでした。」

カブールの急激な人口増加により、学校は子どもたちで溢れ、深刻な教室不足に陥っていました。2010年、都市にあるほとんどの学校が、1日3交代制で、1クラス最高60人もの生徒たちを教えていました。

安全性と女子教育
© UNICEF video
アフタニスタン・カブールのシリノ高校のカマール・ハディ校長先生と女の子。ユニセフは、アフガニスタンの教育省は、ユニセフからの支援、また日本政府からの2,400万米ドルの支援をうけて、カブールの48校の学校に新たに1000室の教室を設置しました。

こうした問題に対応するため、アフガニスタン教育省は、ユニセフの支援と、日本政府からの2400万米ドルの拠出を受けて、カブール全域で48の学校に、新たに1,000室を超える教室を設置しました。

本プロジェクトは、特に、安全性と女子教育に力が入れられています。今年、アフガニスタンの首都カブールで、8万6,000人以上の子どもたちがこの支援の恩恵を受けることになります。

カブール南部のアフシャル高校では、崩れかけの古い校舎に代わり、新しい教室が設置されました。「古い校舎は安全ではありませんでしたし、特に地震が起きたときには、生徒たちの命も危険でした。たくさんの問題を抱えていたんです。」アフシャル高校のティムル・シャー副校長先生はこう話します。

入学者数の改善
© UNICEF video
アフタニスタン・カブールのシリノ高校の子どもたち。

新しい教室の設置により、子どもたちの入学者数が増加。出席率も向上しています。

「新しい教室ができたので、古い教室よりも快適に過ごせます」と、アキリさん(14歳)は話します。「今は、一人ひとりにいすがあるんです。以前は、3人にひとつしかいすはありませんでした。とても疲れました。この新しい教室は最高です。」

しかし、この教室支援は、本プロジェクトのほんの一部にすぎません。この教室支援の他にも、教室を区切るための仕切りやレクリエーションスペース、水場や男女別のトイレの設置など、安全で衛生的な学習環境の整備も行っています。他の多くの国々で示されているように、安全で、魅力的で、衛生的な環境を整えることは、入学者数や女の子の就学率向上にとても重要なのです。

カブール全土で、教育の質も改善されつつあります。ユニセフが行っているワークショップに参加した3,000人以上の教師が、子どもを中心にした学習法について学びました。このワークショップでは、それぞれの子どもたちの能力に焦点をあてた授業の方法や、子どもたちの興味を刺激し、学習活動に参加を促すための工夫、また子どもたちの問題に対処するために必要な技術を学びます。

また、ユニセフは、学校運営への参加を促すべく、子どもたちの代表と地元のコミュニティのメンバーを対象にしたワークショップも展開。学校の改善は、すでに明らかになり始めています。

より良い教育は、アフガニスタンの開発と前進にとって必要不可欠なステップです。本プロジェクトの成功を受けて、今後ユニセフは、今年中に、アフガニスタン全土のその他の500校に、「子どもに優しい学校」を導入する予定。これにより、さらに多くのアフガニスタンの子どもたちがより良い教育を受けることができるようになります。