財団法人日本ユニセフ協会
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ソマリア:子どもたちの苦しみを終わらせるために

【2007年1月12日 ナイロビ発】

© UNICEF/HQ07-0006/Kamber

ユニセフと英国セーブ・ザ・チルドレンは12日(現地時間)、「最近ぼっ発した紛争によって、何千人ものソマリアの子どもたちが影響を受けている。子どもたちの苦難を終わらせるためには、ソマリアの平和と安定が緊急に必要である」との見解を発表しました。

子どもたちは紛争の犠牲者であるのみならず、戦闘員として紛争に巻き込まれているとの目撃情報もあります。ユニセフとセーブ・ザ・チルドレンは、武装勢力や武装集団に従事させられているすべての子どもたちが、その立場あるいは拘束されている場所からすぐに解放されねばならないと訴えています。また、ソマリア暫定連邦政府と関係機関に対し、解放された子どもたちに十分なケアを行い、彼らが差別されることなく家族と安全に暮らせるための必要な措置をとるよう呼びかけています。

ユニセフとセーブ・ザ・チルドレンは、空爆の死傷者にソマリアの子どもと女性が含まれ、さらに国内避難民キャンプが手榴弾による攻撃の対象となっているという報告を受け、非常に懸念していると述べています。また、ケニアとの国境が閉ざされ、戦火から逃れてきた人に対する脅威が高まっていることについても憂慮しています。子どもたちがもっとも弱い立場にいることは言うまでもありません。子どもたちは街頭で手当たりしだいに銃撃されたり、再び台頭化してきた武装勢力間の争いに兵士として徴用されたりしているとの情報も受けています。ユニセフとセーブ・ザ・チルドレンは、いかなる形であっても子どもが紛争に巻き込まれることを容認すべきではないと述べています。

© UNICEF/HQ07-0004/Kamber

中央政府ができるという見通しは好機となるかもしれませんが、子どもたちのために安定した安全な将来をもたらすうえで、ソマリアは大きな課題に直面しています。ユニセフとセーブ・ザ・チルドレンは、現在紛争によって、人道支援関係者による最も弱い立場にいる人々へのアクセス、支援物資の供給、そして子どもの権利の侵害状況のモニタリングが制限されている事態を懸念しています。ユニセフ・ソマリア事務所代表クリスチャン・バルスレフ‐オルセン氏は「ソマリアでの内戦が長引けば、過去15年の間に国際社会からの支援でソマリアが達成したささやかな進歩をも危うくするだろう」と語りました。

セーブ・ザ・チルドレンのソマリア事務所長エル・キディール・ダローム氏は「とくにソマリア南部の子どもたちは、干ばつと洪水と紛争という人道上の危機の影響を三重に受けています。状況が一刻も早く安定しないかぎり、ソマリアの子どもたちの安全を保証することはできません。このままでは多くの子どもたちが家族から引き離されて孤児となったり、また虐待やネグレクトの対象となるでしょう」と述べています。

教育はソマリアの子どもたちの回復にとって重要だと考えられています。しかし、紛争と情勢不安のために故郷を離れた人々が6万5千〜7万人にのぼり、学校への就学が大変難しい状況となっています。