財団法人日本ユニセフ協会



ルワンダ地震被災地
国際社会に225万ドルの支援を要請

【2008年2月14日 ルワンダ、ジュネーブ、ニューヨーク発】

チャド地図

今月3日、アフリカ中部のルワンダと隣国のコンゴ民主共和国は、連続した地震に見舞われました。マグニチュード6.1と5.0の大地震が1時間以内に連続して発生。最初の地震はコンゴ民主共和国のブカブから20kmの地点を震源に午前9時31分に、その3時間半後にルワンダ領内を震源とする2度目の地震が発生しました。その後も大きな余震が続き、3日午後1時20分、そして翌4日の午前2時と5時にもマグニチュード5の地震が続きました。地震の被害は、コンゴ民主共和国国境沿いのルワンダ西部、ニャマシェケとルシジの2地区に集中しています。

家屋や教会、公共施設が倒壊。被害を受けた病院の医療スタッフは、数百人もの怪我人への対応に苦慮しています。ルワンダ政府の集計では、死者37名、怪我人643名。367名が、トラウマを訴えていると報告しています。地元ラジオ局によれば、ルシジ地区のンカンカとンカンボ、ニヤカヴェネでは教会が、カメンベではモスクが倒壊し、10名が死亡しました。被災地域人口の52%は18歳未満の子どもたちです。

この2地区では、多くの家屋が倒壊し、1,201世帯が住む場所を失いました。両地区で20箇所の小学校が被害を受け、1校は倒壊、19校は建物の構造に深刻な被害を受けています。被害を受けた中学校は4校。政府は、総計212の教室は建て直しが必要で、113教室に修繕が必要と報告しています。被害のあった小学校と中学校は閉鎖されています。ブシェンゲの病院も、建物の80%に深刻な被害を受けました。

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ユニセフをはじめとする国連の調査チームは、地震発生直後の4日、災害状況と支援ニーズを把握するため、被災地に入りました。同チームは、被災地の人々の心のケアが最優先課題であると報告しています。また、ユニセフのチームは、震源地近くのキブ湖にあるンコンボ島の被害が深刻と地元当局が伝えていると報告しています。伝染病などの発生を抑えるためにも、飲料水と安全な衛生設備の確保は被災地域の緊急課題です。地元の火山観測所は、今後も、引き続き大きな地震が発生する可能性があると発表しています。
1994年の紛争と大虐殺以降から目覚しい復興を遂げたルワンダですが、国民の57%は、未だに一日1ドル以下の生活水準におかれています。新生児死亡率は出生1,000人あたり82人、5歳児未満死亡率は164人にもなります。農村部では、国民の8%しかトイレを使用できず、44%しか、安全な飲料水にアクセスできません(都市部ではそれぞれ10%と66%です)。初等教育の就学率は96%と高いものの、さまざまな理由から退学を余儀なくされたり、中学校に進学できない子どもたちも少なくなく、特に女の子や社会的に弱い立場にある子どもたちの間で深刻です。

ユニセフは、このルワンダ大地震で最も被害を被っている子どもと女性のため、保健・医療、栄養、水と衛生、子どもの保護と教育、テントなどの仮設シェルターの提供などの支援活動を展開。その費用として、総額225万ドル(約2億4千万円)の支援を国際社会に求めています。