財団法人日本ユニセフ協会



エチオピア・・・干ばつ地域の児童労働者に教育の機会を

干ばつの影響で、エチオピア、アワッサ周辺地域で生活をすることが難しくなっています。干ばつ後の食料価格高騰により状況はますます悪化しています。このような状況の中、ここ南部諸民族州に住む困難な状況におかれた家族は、子どもを働きに行かせるしかすべがないのです。

シュカー君8歳は、そんな児童労働者の一人です。彼の母親もまた彼に食事を与える余裕がなくなり、彼を働きに出しました。今、彼は数人の子どもと固い床で寝起きを共にし、夜明けに起き、アワッサ湖岸で仕事を探しています。

シュカー君は湖に出かけながら話してくれました「僕は、午前8時から昼まで働きます。50セントのパンを朝食用に買って、お昼には、60セントのサモサを、そして、夕飯にはまたパンを買います。」1ドルは食事用に、25セントは寝床用に取っておき、さらに、彼は将来のためにお金を貯めようと頑張っています。「僕の目標は、自転車を買い、それを他の男の子たちに1乗り25セントで貸して、そのお金で学校に行き、お医者さんになりたいんだ。」と話します。ユニセフの新しいプログラムのおかげで、シュカー君は医者になるための収入源になる自転車は必要なくなるでしょう。南エチオピア開発連合とアワッサの地元協力者による活動で、そのプロジェクトはアワッサ湖フィッシュマーケットで働く子ども達が勉強できるように学校を設立し、そこにはカウンセリングも受けられるようにソーシャルワーカーが在中する予定です。また、子ども達が必要な備品や衣服も提供していく予定です。

「すべての子どもは教育を受ける権利があります。児童労働をしている子ども達は家族が直面している難しい状況のため、家を出ることを強いられてきました。私たちは、彼らの権利が剥奪されることのないように努めています。」と、ユニセフプロジェクトオフィサーのフェレケック・バサジーニュさんは話します。

©日本ユニセフ協会/ETHIOPIA-033/
K. Manaka

また、このプロジェクトでは、このような子ども達の緊急ニーズに応えるだけでなく、アワッサ付近の村で困難な状況におかれた家族を確認し、手助けをすることで児童労働の流れを阻止しようとしています。また、このような家族たちが子どもを働きに出さざる負えない状況に陥る前に助けることを目標としています。彼らは、職業訓練を通して収入を得る方法、わずかなローン、補助金を得ることで、小規模なビジネスを始めることが可能になります。その一方で、大規模な干ばつ危機への対応で、ユニセフは被害を受けた地域の子ども達と女性の緊急ニーズに応えるために2700万ドル(27億円)を必要としています。