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財団法人日本ユニセフ協会
 



エボラ出血熱緊急募金 第7報
西アフリカ:
エボラ出血熱、感染拡大止まらず

【2014年7月4日 東京発】

今年春にギニアで感染が確認されたエボラ出血熱。その後、隣国シエラレオネとリベリアにも広がり、感染が拡大し続けています。

本記事は、2014年7月1日WHO発表資料、ならびに7月2日ユニセフ・リベリア事務所の資料を基に、日本ユニセフ協会 広報室がまとめたものです。

WHO(世界保健機関)は、7月2〜3日に、ガーナの首都アクラで、感染3カ国を含む周辺11カ国の保健省高官やパートナー団体、エボラ出血熱の元患者、航空会社や鉱山会社、支援団体などを交えた会議を実施し、今後の対応策を協議しました。現状とユニセフの取り組みについてご紹介します。

■感染状況(6月30日時点・累計)

ギニア・リベリア・シエラレオネ3カ国での感染者数 759人、うち死者467人

<国別>

  • ギニア
    感染者413人(確認293人、推定88人、疑い32人)
    うち死者303人(確認193人、推定82人、疑い28人)
  • リベリア
    感染者107人(確認52人、推定21人、疑い34人)
    うち死者65人(確認33人、推定17人、疑い15人)
  • シエラレオネ
    感染者239人(確認199人、推定31人、疑い9人)
    うち死者99人(確認65人、推定29人、疑い5人)

※統計数は、症例の再分類やラボのデータ、症例の統合などによって、都度変動しています。

エボラ出血熱の感染ならびに死亡が確認された場所は、下の2つの地図の通りです。数が多い場所ほど、濃い色で記されています。

エボラの感染状況
※本地図の統計は、WHO 6月22日発表資料によるものです。

■感染経路

主に3つの特徴がみられます。

  1. 農村部での感染は、強い文化習慣や伝統的な信仰(埋葬時の習慣など)によるもの
  2. 人口密度の高い都市部周辺(ギニアのコナクリ周辺、リベリアのモンロヴィア周辺)
  3. 商業などで国境を越えた人の往来がある3カ国の国境周辺

■ユニセフの取り組み

ユニセフは、各国においてエボラ出血熱感染拡大を防止するため、広報活動や水と衛生活動を中心に、支援活動を行っています。また、予防・治療のために、医薬品や医療機器、医療関係者と患者用の緊急備品(ビニール手袋、防水シート、ビニールマット、点滴、経口補水液)、入院施設用のテント、消毒剤と噴霧器の提供も行っています。

チラシを見せながらエボラ熱の予防法を住民に伝えるユニセフ職員
©UNICEF Liberia/2014/Ajallanzo
チラシを見せながらエボラ熱の予防法を住民に伝えるユニセフ職員。
エボラ熱の予防法がまとめられたチラシを読む住民
©UNICEF Liberia/2014/Ajallanzo
エボラ熱の予防法がまとめられたチラシを読む住民。

エボラ出血熱の徴候や予防法をまとめたポスターやチラシを作り配布するほか、町や村、市場など人が多いところで、直接説明をし、エボラ出血熱への正しい理解と手洗いなどの予防法、人が亡くなった時の対処法などを広めています。

感染拡大を防ぐのに欠かせないのが、感染した人と接触した人の状況確認です。早期に感染者を発見し、隔離したうえで、できうる限りの対処療法を行うことが必要です。また、その後の経過を確認することも欠かせません。

エボラ熱への正しい対処法を伝えるユニセフ職員
©UNICEF Liberia/2014/Ajallanzo
ポスターを見せながら、エボラ熱への正しい対処法を伝えるユニセフ職員。
ユニセフ・シエラレオネ事務所が配布したエボラ啓発ポスター
©UNICEF Sierra Leone/2014
ユニセフ・シエラレオネ事務所が配布したエボラ啓発ポスター。

しかし、リベリアでは、エボラ出血熱で死者が出た一部の地域では、経過確認のための立ち入りが住民に拒否・抵抗されています。こうした背景には、エボラ出血熱への誤った知識や差別を恐れる気持ちがあると考えられます。

* * *

公益財団法人日本ユニセフ協会は、緊急支援に備えて設けている臨時拠出積立金より、2014年4月、ギニア、リベリア、シエラレオネの3カ国のエボラ出血熱への対応のために各10万米ドル(計30万米ドル)の拠出を行い、エボラ出血熱感染拡大防止を支援しています。ご支援くださっているみなさまにお礼申し上げます。

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