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財団法人日本ユニセフ協会




中国大地震 第13報
地震発生から1ヶ月
ユニセフは子どもたちの心のケアと教育再開を支援しています!
 

【2008年6月10日 中国・北京発】

最大被災地のひとつ同済で自宅が崩壊した少女が、避難先の小学校でたたずんでいました
©UNICEF/ HQ08-0567/Adam Dean
最大被災地のひとつ同済で自宅が崩壊した少女が、避難先の小学校でたたずんでいました。

5月12日に四川省ブン川(ぶんせん)県発生した中国大地震から、あすで一ヶ月。10日昼時点で死者69,146名、負傷者374,072名に上る未曾有の大惨事となりました。

中国史上初めて、被災者支援を最優先にした被災地再建活動が法律化され、「震災後の回復再建専門条令」が公布されました(8日)。これに伴い国連災害管理チームも、一刻も早い被災地再建のために全ての国連支援機関の今後6ヶ月の復興計画を取りまとめています。

この1ヶ月、ユニセフが支援してきた被災した子どもの心のケアと、教育活動再開の支援の状況は次の通り。

民生部とユニセフの調査で、孤児は420名、まだ肉親が見つからない子どもが1,072名いることが判明。5日に被災者の心のケア支援関連団体を召集した会議を開催して情報を取りまとめたユニセフは、中国政府と連携して被災した子どもと女性の心のケア支援を継続して担当していきます。

写真:倒壊した学校で亡くなった息子の遺影を抱える母親
©UNICEF/ HQ08-0567/Adam Dean
6月1日の世界こどもの日に開催されたセレモニーで、倒壊した学校で亡くなった息子の遺影を抱える母親。

中国教育当局は、新学期開始の9月1日までに、全ての被災した子どもたちが学校に戻ることができるよう、教育部主導で被災した学校再建計画を推進。

ユニセフは、教育当局と協力して中国の教育復興支援のため国連合同の計画を準備。今年12月までに、被災した子どもが勉強できる環境に戻る支援、学校再建のための専門的支援を行う。震災前から着手してきた子どもに優しい学校と子どもの早期開発の導入支援も継続。国連合同の教育復興計画はユニセフからの拠出200万米ドル(約2億1000万円)を含む総額244万米ドルに上る予定。

5月28日、ユニセフ北京事務所は、中国大震災後の子どもたちと女性の支援継続に必要な支援金額の総額1,340万米ドル(約14億1,000万円)を、国際社会に対して要請。10日現在までに、ユニセフは被災地に約840万米ドル(約9億円)相当の物資を提供しています。

写真:四川大学でワクチン接種を待つ子どもたち
©UNICEF/ HQ08-0567/Adam Dean
四川大学でワクチン接種を待つ子どもたち。民生部の調べでは、400人以上が孤児に、さらに1,000人以上が震災後の混乱で肉親とはぐれたままです。

ユニセフ・中国事務所は、中国大震災後の子どもたちと女性のための緊急支援、そして、今後継続が必要な支援を行うための資金として、総額で3,000万米ドル(約31億5,000万円)の支援が必要であると試算しています。ユニセフは、すでに通常活動資金も含めて1,660万米ドル(約17億4,000万円)を受け取っていますので、今後必要な支援金額の総額1,340万米ドル(約14億1,000万円)を、国際社会に対して要請しています。

震災発生後24時間で、ユニセフ・中国事務所は緊急事態支援に必要な物資(特にテントや布団など)の提供者を手配。ほぼ同時に、香港ユニセフ協会が、256,000米ドル(約2,700万円)の緊急資金提供が可能であるとの連絡をしました。それにより、ユニセフ・中国事務所は、5人用のテント800張りと、布団20,000枚を速やかに発注することができました。国連機関の中でももっとも迅速な緊急支援物資の手配でした。その後、一週間でユニセフの緊急プログラム基金から250万米ドル(約2億6,000万円)の拠出が決まり、これにより、当面、他の緊急支援活動の資金に当てることができました。

今後2ヶ月間で必要となる支援項目は以下の通り。
(カッコ内は不足している資金額(米ドル)と予算における不足割合、5月28日時点)

保健と栄養 (400万米ドル、45.98%)
教育 (440万米ドル、51.16%)
安全な水と衛生設備(トイレ) (130万米ドル、39.39%)
避難所 (不足資金なし) 子どもの保護 (210万米ドル、63.64%)
HIV/エイズ (35万米ドル、77.78%)
活動の管理と評価 (70万米ドル、77.78%)
国際社会への啓発と情報発信 (55万米ドル、73.33%)

これらの活動は、中国政府やユニセフなど支援機関の初期対応の結果得た情報に基づいて、今後、中国大震災支援プログラムが終了するまで、少なくとも30ヶ月間は継続が必要だとされる項目です。すべて、ユニセフ・中国事務所が適切に対応可能で、被災した子どもたちの継続的な支援のために必要なものです。