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財団法人日本ユニセフ協会




中国大地震 第19報
アグネス・チャン日本ユニセフ協会大使 現地記者会見 帰国の途へ
 

【2008年7月3日 北京発】

写真:ユニセフ中国事務所での記者会見の様子
© 日本ユニセフ協会
ユニセフ中国事務所での記者会見の様子。

先月26日から、中国四川省の地震被災地を訪問していたアグネス・チャン日本ユニセフ協会大使は、2日夜、同省成都から北京に移動。ユニセフ中国事務所は、3日午前(現地時間)、40社を超える中国内外の報道機関を迎え、同事務所で、帰国直前のアグネス大使による記者会見を開催しました。

地震発生から1ヶ月以上も経っているにも関わらず、アグネス大使が訪れた被災地に残された傷跡は深く、四川省だけで350万人もの人々が、テントでの生活を余儀なくされていました。しかし、数百人〜数千人規模の「テント村」に暮らし、支援活動に携わる人々、特に子どもたちの表情は、私たちが当初予想していたものとは良い意味で異なるものでした。

写真:スクールキットとプレゼントするアグネス大使
K.shindo©UNICEF
崩壊した村に完成した仮説学校(愛心学校)の子どもたちにスクールキットをプレゼントするアグネス大使。

「(親を失ったりして)大変なのは、私だけではありません。だから悲しんでなんかいられません。」
「血の繋がった家族を亡くしても、このコミュニティーに住む私たちは、みんな家族ですから。」
「中国が一つになりました」
「日本の皆さんに感謝しています。」
「世界には、こんなに温かな心を持っている人たちが居たんだと初めて実感しました」
「こんなところまでやってきて、私たちを励ましてくれてありがとう!」

写真:都江堰で倒壊したアパートをみるアグネス大使。
K.shindo©UNICEF
都江堰で倒壊したアパートをみるアグネス大使。

多くの子どもたちが親や友人、生まれ育った家や故郷を失いました。しかし、中国国内外から多くの支援が寄せられ、またボランティアが集まり、ユニセフの支援センター(子どもに優しい空間)などで私たちが出会った子ども達の多くは、笑顔に包まれていました。

しかし、復興への道のりはまだ始まったばかり。今はまだ、数ヶ月先、数年先、多くの人々の心から、被災地の事が忘れられるようになる頃、子どもたちは新たな困難に立ち向かわなければなりません。

ユニセフは、中国四川省でも、今回の地震災害が起こる前からから長年にわたって支援活動を続けてきました。そして、今後長期にわたる復興支援活動にも地道に取り組んでゆきます。

引き続き、みなさまのご支援を、よろしくお願いいたします。

アグネス大使 中国大地震被災地視察 日程と概要

  地名 視察概要
6月26日(木) 成都 CA422で到着(16:00)
ユニセフ中国事務所スタッフと視察内容打ち合わせ
6月27日(金) 都江堰市 市内繁華街 98%の建物が使えなくなった都市部の被害の状況を視察。市内(2-300人規模のテント村)を訪問。
    都江堰公立幼稚園訪問(半壊で使用不可)
  綿陽市安県永安鎮 テント村(北川から1500-1700を収容、子ども170人程度)
    永安テント村学校でユニセフの心のケア支援活動(子どもに優しい空間)を視察(地元の子どもも含めた約250人が参加)
6月28日(土) 綿陽市安県 安県党校で実施されていたユニセフによる心理ケアスタッフトレーニング(婦人連合会20名程)の模様を視察
  綿陽市北川擂鼓鎮 テント村(北川からの3700人以上を収容)
    仮設住宅建設現場、ユニセフが心のケア支援を始めた擂鼓仮設学校を視察。
    親を失った子どもたちに面会
6月29日(日) シーファン市洛水 中心地の被災状況を視察
    ユニセフの支援がまだ入っていない場所で、心のケア活動を展開するボランティアや、ケアを受ける子どもたちと面会
    郊外の農家で、親を失った子と祖母に面会
6月30日(月) シーファン市高橋村 ユニセフの教育支援活動が展開されている愛心学校(仮設学校)を視察。ユニセフのスクールキットを配布。
  シーファン市洛水 中国人ボランティアによって運営されるケアセンター「愛心活動中心」を訪問。ユニセフの支援がまだ入っていない地域での、ボランティアによる心のケア支援活動などを視察。
7月1日(火) 成都市 市内の病院を訪問。地震で大怪我をした子どもたちと下半身切断を余儀なくされた若者を見舞う。
  シーファン市洛水 完全に破壊され人通りが無くなった旧繁華街を視察。瓦礫の中から無傷の商品を探す商店主などと出会い、励ます。
7月2日(水) 成都市 四川省民生部の担当者から、今後の復興計画、ユニセフなどによる支援の必要性について話を聞く。
    CA1408にて北京へ移動(20:00発)
7月3日(木) 北京 ユニセフ中国事務所にて、地元メディア約30社に対し記者会見。日本ユニセフ協会に寄せられた募金1億円あまりを贈呈。引続き募金を呼びかけることを宣言。
    CA421にて帰国(成田着21:00)
写真:商店主と話すアグネス大使。(シーファン市洛水)
© 日本ユニセフ協会
商店主と話すアグネス大使。(シーファン市洛水)

8月6日(水)、アグネス大使の視察の模様がNHK『BS特集』で放映予定

アグネス大使による中国大地震被災地視察の模様が、8月6日(水)NHK衛星放送『BS特集』にて放映される予定です。放送時間などについては、後日あらためて当ホームページでご案内いたします。 また、当ホームページでは、フォトストーリーなどの掲載も予定しています。是非ごらんください。