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財団法人日本ユニセフ協会
 



ハイチ地震復興支援募金 第77報
ユニセフ、学校再建を支援

【2011年4月8日 ハイチ/ポルトープランス発】

昨年1月、ハイチで大地震が起きて以来、ユニセフは、被害を受けた学校や破壊された学校の再建を目指して尽力してきました。カリブ海のこの国で、子どもたちの生活を地震前の安定した生活に戻すには、最も効果的な方法のひとつだからです。

サン・ジェラル小学校では、昨年4月に学校が再開されましたが、学校の校庭に建てられた円形競技場風の臨時階段教室には、子どもたちが溢れかえりました。

「地震でつぶれた校舎の瓦礫が取り除かれるまで、約1カ月間はあの状態が続きました。その後は、ユニセフの支援で贈られた臨時のテント教室での授業になりました」と語るのは学校の校長先生、シスター・ヨラ・ノレルスです。

レンガひとつひとつを積み上げて

地震から11カ月、新しい教室が13室作られ、再び、子どもたちは校庭に集まり、教室に向かう準備をしています。

サン・ジェラル小学校は、ユニセフがハイチの首都ポルトープランス内に再建している頑丈な造りの学校110校のひとつです。ユニセフはさらに37校を再建予定です。これは国家計画に組み込まれています。

「州レベルでも再建を進めるつもりで、ここ1、2週間で、28の学校建設が始まります」と語るのは、ユニセフの学校建設チームのジネット・マスリンさんです。

学校建設には、1校で、175,000米ドルかかり、テント、鋼材、コンクリートの基礎などを使用し、約3週間かかります。

2011年6月までには、ハイチ国内で200校近い学校再建を目指しています。

みんなの努力

チャナイカさん(11歳)は、かつて学校が建っていた敷地に置かれた、臨時のコンテナー製の学校に通っています。教室はひとつしかありません。今、彼女は、鉛筆を片手に、作業員たちが新しい学校の鋼鉄製の屋根をつけている様子を見守っています。

学校に来られることがいかに幸せなことか・・・彼女は実感しています。昨年の地震では、学校が全壊し、27人の級友、3人の先生が亡くなりました。「近所の子どもたちの中には学校に行けない子もいます」とチャナイカさん。彼女はポルトープランスのごみごみした一角に住んでいます。

学校のほとんどは私立で、公的な資金援助はほとんどありません。「学校教育はタダにすべきで、近所にひとつは学校があるべきです」とチャナイカさんは言います。ユニセフは、ハイチの教育省の協力を得て、ハイチの子どもたちのために無償の教育を提供する方法はないか模索し、実施戦略を立てています。子どもにとって、教育の権利は必須のものです。特に、地震後のハイチにとっては、大切なことと言えます。それは、困難な生活から逃れる手段になるばかりか、子どもたちの生活に安定をもたらし、彼らに自信を持たせ、自らの未来を司る能力も提供するからです。

希望の光

「子どもたちには、ここで頑張って学んで欲しいと思っています。家で、子どもたちにしっかり目を配ることができないのが実情なので、学校でそうしてあげたいと思います」とシスター・ノレルス。

サン・ジェラル小学校の建設を見ながら、マスリンさんは、着実な前進に満足気です。でも、「まだまだやらなければならないことがあります」と彼女。

「ハイチの人口の約80%の人たちが文字を読むことができません。そして、就学期の子どもたちの50%しか学校に行っていないのです」とマスリンさん。「学校建設にもっと資金を回して、残りの50%の子どもたちが学校に行き、より良い未来をハイチにもたらすことができるよう、教育を提供して行かなければなりません。」