財団法人日本ユニセフ協会




2003年3月29日

国連共同アピール:ユニセフなどを通じた緊急人道支援の必要性を訴える

ユニセフ・イラク緊急募金の受付を開始

イラクの子どもたちの保護を最優先に

財団法人日本ユニセフ協会

 財団法人日本ユニセフ協会(本部:東京都港区、会長:澄田智)は、ユニセフ(国連児童基金)が進めるイラクの子どもたちへの人道支援を支援するため、「イラク緊急募金」の受付を開始しました。

 イラクでは、今回の戦争が始まる前から、5歳未満の子ども100万人以上が栄養不良状態にありました。開戦の結果、より多くの子どもたちが困難な状況にさらされる心配があります。安全な飲み水が得られず、戦禍を被り家を追われ、食糧や医薬品さえ手に入らず、教育の機会を失い、心に傷を負うなどして、戦争の一番の犠牲になるのは、子どもたちです。

 3月28日、国連が行ったイラクに対する国際的な人道支援を求める共同アピールの発表にあわせ、キャロル・ベラミー ユニセフ事務局長は、「保健、栄養、水と衛生、基礎教育分野の迅速な人道支援がなければ、幼児と子どもの死亡率が急激に増加する可能性がある」と、イラクに対する国際的な緊急支援の必要性を強調しています。ユニセフは、イラクに対する緊急人道支援のために、この先6ヶ月間で1億6,600万米ドルが必要となると推定しています。「不必要な死と苦しみを防ぐため、そして、イラクの子どもたちに希望を届けるために、私たちは今行動しなければなりません。」と、ベラミー事務局長は強調しています。

募金のお願い

 ユニセフによるイラクへの緊急支援を求める発表を踏まえ、日本ユニセフ協会では、今後さらに必要とされるイラクの子どもたちへのユニセフの人道支援活動を支援するため、イラク緊急募金の受付を開始します。多くの皆様のご支援をお願い申し上げます。

概況

img1  2001年のユニセフの調査によると、イラクでは、子どもの8人に1人が5歳になる前に命を落としています。国民の約3分の2が日々の食糧を配給に依存している中、子どもと女性を中心に栄養不良が急速に拡大し、新生児のおよそ25%は低体重で生まれています。戦争により食糧配給が滞り、医薬品や保健サービスが不足した場合、子どもたちの栄養不良状態がさらに悪化し、感染症などが流行する恐れがあります。また、戦争によりインフラが破壊され、清潔な飲み水が得られなくなれば、下痢による脱水症状で命を脅かされる子どもが急増する可能性があります。今でも、子どもの4人に1人は小学校に行けず、安全な水を手に入れることができません。

 戦争下においても、ユニセフはイラク国内外にスタッフを集め、数千トンの支援物資をイラク国内外に備蓄し、栄養、保健、水と衛生、子どもの保護などの分野で、緊急人道支援を続けています。                

ユニセフの活動

 ユニセフは、1983年よりイラクで本格的な支援活動を行っており、湾岸戦争後の国連による経済制裁中も、予防接種や教育などの分野で人道支援を継続してきました。1997年以降、国連の「Oil for Food Programme(石油と食糧の交換計画)」の枠組みの下、ユニセフは、保健、栄養などの分野を中心に国連の人道支援活動の主導的な役割を担っています

 ユニセフは国際社会に平和を訴える一方、今回の戦争が始まる直前、イラク国内の400万人の子どもにはしかの予防接種を実施し、40万人の栄養不良の子どもに高たんぱくビスケットなどを配りました。また、多くの支援物資をイラク国内及び近隣諸国に備蓄するなどして、緊急事態に備えてきました。現在、ユニセフでは、イラク国内にいる150人の現地スタッフと近隣諸国から支援を行う国際スタッフが協力して、これまでのイラクでの活動経験とネットワークを生かし、イラクの子どもと女性への支援を続けています。

img2  3月28日、ユニセフが発表したイラクに対する緊急人道支援の主な内容は、以下の通りです。

  • 命に関わる病気から子どもたちを守るための緊急予防接種
  • 栄養不良の子どもたちや妊産婦への栄養補助食の提供
  • きれいで、安全な水の供給と基礎衛生施設の提供
  • 保健施設への医薬品や医療設備の提供
  • 心理的外傷を受けた子どもたちのケア
  • 孤児や障害児の保護
  • 子どもたちをできるだけ早く学校へ戻す