財団法人日本ユニセフ協会




ユニセフはイラク南部で “スクール・イン・ア・ボックス” を配布
一刻も早い学校の再開を目指す

[アンマン 2003年4月28日]
 先週金曜日、ユニセフ事務局長キャロル・ベラミーは、イラクの子どもたちが一刻も早く学校に戻れるように緊急の呼びかけをしました。現在、ユニセフの調査団はイラク南部を回り、このアピールの重要性を強調しています。

 ユニセフ職員が訪れたすべての街と村で、多くの子どもたちが道をさまよい、通り過ぎる車に物乞いをして食糧や水を求めていたと言います。また、旧イラク・ディナールをアメリカ・ドルに両替する仕事をして、なんとか生活している子どももいます。もっと驚くことに、不発弾により死傷する子どもや、ゴミをあさる子どももいたと言います。

 こうした現状は、イラクの子どもたちの生活にもっと必要な基盤を整えるために、子どもたちを学校に戻すことの重要性を示しています。また、それはイラクの子どもたちが戦争のトラウマから回復するための道筋をつけてくれます。

 イラク南部では、いくつかの学校が再開しています。しかし、多くの学校が、まだ再開できないままです。例えば、ズバイルでは、市内124校のうち、5校が戦争中完全に破壊され、40校が徹底的な略奪にあいました。紛争の直接の影響を免れた学校でさえ、教材が不足しています。ユニセフは“スクール・イン・ア・ボックス(箱の中の学校)”—生徒80人分の基礎教材を含む—と呼ばれる教育キットを配布し、教材不足を補おうとしています。これは始まりにすぎません。

 昨日、ユニセフはバグダッドの下痢性疾患の発生について言及しました——病気の発生は、きれいな水が不足し続けていることにより生じていると言って良いでしょう。ユニセフの主要な優先課題のひとつは、安全な水を必要とする人々に提供することです。私たちは、今、こうした努力が実を結んでいる確実な証拠を得ています。

 2週間前、子どもの間で下痢性疾患が急激に増加していると警告していたウムカスルの病院では、医師が病気にかかる子どもの数はピークに達していると話しています。地元の医師は、状況が改善してきているのは、ユニセフがクウェートから毎日給水車で運んでいる、きれいな飲料水が配給されたためだと言います。

 昨日、2度目のユニセフの輸送団が、イランからイラクに入りましたが、現在イラン・イラク国境にある別のトラック2台が、バグダッドへ向けて40トンの高たんぱくビスケットと医療機器を運んでいます。この輸送団—イランから初めて水以外の支援物資を運ぶ—が、今後の支援の先駆けとなることを期待しています。それは、特にコスラビ国境が首都バグダッドから160キロメートルしかはなれていないからです。

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バグダッドでは下痢性疾患が発生

[アンマン 2003年4月27日]
 バグダッドのユニセフ職員は、今日、市内の最貧地区の病院で、下痢性疾患の発生が深刻化していると報告しています。アル・ノーア病院では、3時間で300人の下痢性疾患患者がいました。その多くが、子どもたちです。

 ユニセフ職員によると、市内の治安の欠如と交通費の高騰により、多くの病人が深刻な脱水症状になるまで病院に行くことができないでいると言います。例えば、医療の助けに頼るのがあまりにも遅かったり、犠牲者が家でひとりで死んでいるというケースもあります。実際には、下痢性疾患に苦しむ子どもの本当の数は、病院に来る患者の数よりもずっと多い可能性があると認識しなければなりません。

 もし、報告書の通り、アル・ノーア病院で見られる下痢性疾患がバグダッドの他の地域やそれ以外の地域でも発生しているのであれば、それは安全な水がイラク国民に早く届くよう保障することが、決定的に重要だと強調することになります。

 しかし、概して、他の地域では下痢性疾患は発生していません。しかし、実際、少なくともイラク南部では、浄水施設で生水を安全な飲料水にするために必要な浄水剤が不足する可能性が非常に高く、こうした状態を是正する方策が早急に採られない限り、下痢性疾患の急増は避けられないかもしれません。

 良いニュースとして、今日、7台のユニセフのトラックが6万リットルの飲料水を運び、イランから国境を越えファオ半島に向かいました。これはイランからの2度目のユニセフ給水輸送団です。この輸送団が比較的簡単に国境を越えたことは、イランをイラク支援のための重要なルートとするユニセフの努力が実を結び始めていることを示唆しています。

 最後に、ストリートチルドレンのための施設、アル・ラーマ・センターからいなくなった子どもたちを探す活動に関する新しい情報です。施設の責任者によると、今日、いなくなった女の子3人と男の子4人を見つけたと言います。しかし、どの子も施設に戻ることに同意していません。彼らが逃げ出したかったショッキングな環境と、無法者に施設を略奪された恐ろしい状況を考えると、彼らが施設に戻ることを躊躇する気持ちは理解できます。一方、アル・ラーマ・センターからいなくなった他の19人の女の子の消息は不明です。

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募金のお願い

 ユニセフによるイラクへの緊急支援を求める発表を踏まえ、日本ユニセフ協会では、今後さらに必要とされるイラクの子どもたちへのユニセフの人道支援活動を支援するため、イラク緊急募金の受付を開始します。多くの皆様のご支援をお願い申し上げます。