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財団法人日本ユニセフ協会
 



中東・北アフリカ緊急募金 第2報
リビア:支援物資160トンが、間もなく到着

【2011年3月3日 ニューヨーク発】

© unicef video

混乱が続くリビア。何万人もの人々が、エジプトとチュニジアに避難しています。ユニセフは、危険に晒されている女性と子どもたちの緊急のニーズに対応するべく、緊急支援物資を現地に急送しています。ユニセフは、こうした活動に当面必要な追加の資金として、720万米ドルの支援を国際社会に求めています。

この混乱の影響を受けている子どもたちの支援のための衛生キットや食糧、また、心のケア支援用のレクリエーション関連物資など、160トン以上のユニセフの支援物資を載せたチャーター機が、エジプトとチュニジアに間もなく到着する予定です。ユニセフ本部のルイス・ジョージ・アーセナル緊急支援プログラム部長は、他の人道支援団体との調整や状況の把握などの一連の活動の陣頭指揮をとるために、既にチュニジア入りしました。

「国境地帯は、人で埋め尽くされています。」「数日前までは、国境を超えるのに4時間しか掛かりませんでした。しかし今は、4日も掛かっています。かなり緊張が高まっています。」

混乱の影響
© unicef video

リビアから逃れて来た人々への支援のため、ユニセフは、既に、リビアの近隣諸国のユニセフ現地事務所から、多くのスタッフをこの国境地帯に配置しました。ユニセフは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国際移民機関(IOM)、チュニジアの赤新月社と協力しながら、活動を続けています。

また、ユニセフは、14人のメンバーからなる緊急支援チームを編成。状況が安定し次第、いつでもリビア国内で活動が始められる体制を整えました。また、この一環として、赤新月社はじめリビア国内のパートナー団体とも連絡を取り合っています。

ユニセフは、中東と北アフリカ諸国で拡大している一連の政情不安や暴動によって、子どもと若者の死傷者が出ていることを非常に懸念しています。特に、リビアの女性と子どもたちの安全が確保されるよう、警鐘を鳴らしています。

「子どもたちは、いかなる形態の危険にも晒されるべきではありません。そうした危険に晒されることは、子どもたちの身体だけでなく心にも、長期にわたって影響を与えることになるのです。」ユニセフのアンソニー・レーク事務局長は、こう訴えています。

最も弱い立場の子どもたちを守るために

リビアを逃げ出してきた最初の人々は、エジプトとチュニジアへの帰国者か、外国人労働者の男性がほとんどでした。しかし、紛争が長引くにつれ、リビアから避難を余儀なくされた人の数も増え、最も弱い立場の女性と子どもたちの割合も徐々に高まっています。

ユニセフは、紛争にかかわる全ての当事者に、何をおいても子どもたちを保護し、避難を強いられた子どもたちとその家族が、様々な緊急支援を享受できる状況を確保するよう、強く訴えています。

リビア国内で、大規模な人道支援が必要とされる状況はまだ確認できていませんが、紛争が長引くにつれ、負傷者の治療などの問題だけではなく、基本的な社会サービスの継続や生活必需品の供給などの問題への懸念が高まっています。ユニセフはじめ、子どもたちの支援に取り組む団体にとって、現況を非常に憂慮させる情報が、リビア国内から断片的に漏れ伝わってきています。