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財団法人日本ユニセフ協会





ユニセフ事務局長、将来への期待を胸にスーダン初訪問を終える。

【2007年11月5日 スーダン、ハルツーム発】

© UNICEF Sudan/2007/Cranston
ユニセフが支援する子どもにやさしいセンターで、キャンプで生活する子どもたちと話すベネマン事務局長。北ダルフール・アブ・シューク避難民キャンプにて

ユニセフ事務局長アン・ベネマンは、11月4日、スーダンへの初訪問を終えました。ベネマン事務局長は、女性と子どもに関するこれまでの成果を評価しつつも、子どもや妊産婦の死亡率がまだ高く、さらなる努力が必要とされると述べました。

ベネマン事務局長は、スーダン南部で多くの子どもたちが再び勉強ができるようになったことを特に評価しています。マラカルでは、ユニセフが支援した学校を訪問し、スーダン南部の内戦が終結した包括和平合意から2年の間に、いかに就学率が向上したかを実際に見て回りました。

スーダン南部では、紛争時に比べて、小学校の出席率が3倍に増え、かつては34万人しか学校に通っていなかったのが、今は120万人の子どもたちが学校に通えるようになりました。

子どもの生存キャンペーン

スーダンの新しい子どもの生存イニシアチブの一環として、はしかの予防接種キャンペーンも実施されました。ベネマン事務局長は、包括的な保健ケアパッケージによって、スーダンで毎年数千人の命を奪っている病気を予防できるようになることを強調しました。

2006年のスーダンの世帯保健調査では、5歳未満児の28%が下痢を患っており、5歳未満児の5人に1人がマラリアにかかっていました。

「ミレニアム開発目標を達成するために、みんなが危機感を持たなければなりません。」ベネマン氏は言います。「政府の全てのレベルで継続的に集中して取り組む必要があります。教育と保健分野へ継続的に投資することにより、ミレニアム開発目標達成に向けて一歩前進することができ、ユニセフは政府と共にそれを推し進めています。」

教育の必要性
© UNICEF Sudan/2007/Cranston
ユニセフが支援する栄養療法センターでお母さんと病気の子どもを見舞うベネマン事務局長。北ダルフール、アブシュークキャンプにて。

北ダルフールでは、ベネマン氏はアブ・シューク避難民キャンプ内の幼稚園や栄養療法プログラムで母親や子どもたちと接し、紛争が子どもや女性に与える影響を目の当たりにしました。

「多くの子どもたちがこのキャンプで生まれ、子どもたちの世界観はここに基づいているという事実に大きなショックを受けました。だからこそ、キャンプ内でも子どもたちが“子どもにやさしいセンター”や学校という、日常的な感覚を生み出してくれる場所に通えるようにすることが重要です。もちろん、自分の家へ戻り、安全なくらしをおくることができるようになるのが望ましいことは明らかです。」

ベネマン氏は、教育や保健ケアの再建、女性の所得創出に地元コミュニティが積極的に取り組んでいる様子も視察しました。北ダルフールの農村部の村へ訪問した際、ベネマン氏は長期的な開発戦略におけるコミュニティのリーダーシップの重要性を強調しました。

“正しい方向へ向かう”

ベネマン氏の訪問の最終目的地は新しく編成されたハルツームの子どもと家族の保護チームです。これは、スーダン政府と警察が、虐待や暴力の被害者を支援するために設置されました。ジェンダーに基づく暴力の被害について理解を深め、支援を行う上で、このチームは他のアフリカ諸国にとっても模範となる可能性を持っています。

「多くの場所で成果が見られ、将来に希望を感じながらスーダンを後にすることができました。」ベネマン氏は言います。

「特にダルフールなど、まだ解決しなければならない課題は多くありますが、女性と子どものための発展という面で徐々に正しい方向に向かっていると思います。」

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