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財団法人日本ユニセフ協会




スマトラ沖地震・津波情報
ユニセフ、支援活動を本格化
〜被害者の3人に1人は子ども〜

日本人ユニセフ緊急人道支援専門官をインドネシアに派遣

[支援物資空輸開始]
ユニセフは、緊急支援物資の空輸を開始しました。第1陣として、現時点で特に深刻な被害が報告・予測されるスリランカとインドネシアに、30日(現地時間)までに約80トンを超える支援物資が、デンマーク・コペンハーゲンやアラブ首長国連邦・ドバイにあるユニセフ物資供給センターから空輸されます。

16万4,000米ドル(約1700万円)相当、42トンの支援物資を載せた1番機は、28日19時(現地時間)に離陸。スリランカ・コロンボには30日午前5時(現地時間)に到着の予定。

搭載された支援物資:

  • 経口補水塩1万5,000袋(「通常」でも世界の子どもの死亡率の約3分の1を占める下痢による脱水症状に対する治療に使われます。今後、特にコレラの発生等で、ユニセフが現地に備蓄しているものでは対応しきれないことが予想されます)
  • 緊急医療支援キット15セット
  • テント20張
  • 学校キット(School-in-a-Boxと呼ばれる1クラス分の文具・教材のセット。非常事態の中で、子ども達に「日常」を提供することによりトラウマの発生を防ぎ、コミュニティ再興の核となる学校の一早い再開が必要です)
  • レクリエーションキット90セット(特に幼児用。トラウマ予防に使われます)

緊急医療支援キットを中心とした支援物資を積んだ2番機は、本日中(現地時間29日)にインドネシア・ジャカルタに向けコペンハーゲンを離陸予定です。

また、約20トン、1万5,000米ドル(約155万円)相当のテントとビニールシートを積んだ3番機も、今日中(現地時間)にドバイを発ちコロンボに向かいます。

空輸の映像は、間もなくユニセフ本部のホームページ(www.unicef.org)等を通じて配信される予定です。

[インド]
27日、ユニセフの提供する給水タンクが、津波の最も甚大な被害を受けた南インドの避難キャンプに到着しはじめ、家を追われた人々に、安全な飲み水を届けはじめました。支援物資第1陣として、給水タンク50セットを、タミル・ナドゥ州の州都チェンナイから2時間の距離にある観光地カンチプーラムに届けました。

「現時点では、病気の拡大を防ぐため、避難キャンプの人々に安全な飲み水を届けることが最優先の課題です」と、ユニセフのリゼット・バーガー氏(水と衛生部門のチーフ)は伝えています。「ユニセフは、支援が必要な地域の衛生状況を詳しく調べています。下痢性疾患などの発生がすでに報告されており、経口補水療法などができるようにすることが急務です」。

ユニセフは、タミル・ナドゥ州でこの事態に緊急に対処するため、1500の給水タンク(1つあたり500リットル)を提供しています。また、浄水剤(固形300万錠、粉末1,000kg)、下痢による脱水症状を改善するための経口補水塩5万袋、3万8,000枚の毛布、1万枚の敷布などが用意され、現地政府を通じて避難キャンプに配布されます。

タミル・ナドゥ州をはじめ沿岸の4州では、祝日だった25日に津波の直撃を受けました。中でもタミル・ナドゥ州の被害は大きく、10万人以上が、学校やコミュニティセンターに設けられた避難所に避難しています。

ユニセフは最も甚大な被害を受けた3つの地域(タミル・ナドゥ、ナガパッティナム・クダロール)で現地チームが支援活動を展開しています。37カ所の支援センターが開設され、米、灯油、衣服などが現地政府を通じて提供されていますが、ユニセフのチームは、現地政府や他の団体と緊密に協力し、キャンプ内の生活環境の調査を行ったり、被害を受けた家族が日常生活に戻れるよう支援活動を開始しています。

「被害を受けた家族たちには、一刻も早い支援が必要なのです。わたしは、自分の子どもを必死になって探している母親たちとも話しましたが、彼女らには隣村に子どもを探しに行くバス代さえありません。それに、子どもたちは大きなショックを受け、心に傷を負っています。現時点でのユニセフの支援活動は、少なくとも彼らの最低限のニーズを満たし、そのうえで、彼らが日常生活に戻る手助けをするために、大変重要です」とバーガー氏は述べます。

現地の写真などは、ユニセフ本部のホームページ(www.unicef.org)でご覧いただけます。

[被害者の3人に1人は子ども]
今回のスマトラ沖地震・津波による津波の被害を受けた人々のうち、3人にひとり以上は子どもと推定される、とユニセフ事務局長キャロル・ベラミーは声明を発表しました。

「基本的に、18歳未満人口が30%より低い国はありません。50%近くが子どもという国もあります」

ユニセフは、被害者のうち、子どもが占める割合は非常に高いと推定しています。もっとも被害が大きかった8カ国の人口の39%が子どもだからです。災害の目撃者は、多くの子どもが、津波に足をすくわれ、木などにしがみつききれずに、流されて死亡したと証言しています。

[日本人緊急人道支援専門官をインドネシアに派遣]
ユニセフは、東アジア・太平洋地域事務所の緊急人道支援担当官西嶋礼子氏を、近日中にインドネシアに派遣します。西嶋氏は、ルワンダ、ウガンダ、アフガニスタンなどでユニセフの緊急人道支援活動に従事してきました。


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