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財団法人日本ユニセフ協会




 

スマトラ沖地震・津波緊急支援情報

子どもたちの日常生活を取り戻すための取り組みへ
(第15報)

地震、津波を生き延びた人々へ基本的な救援物資が提供され始めてから2週間。ユニセフの活動は、被災した子どもたちに日常生活を取り戻させるための長期的なプロジェクトへ転換しつつあります。

津波被害に対してユニセフが最初に取り組んだことは、まず生存者の命を守ることでした。そして現在、ユニセフが取り組んでいることは被害を受けたすべての国で学校を再開することです。モルディブでは、ミニカーやぬいぐるみといったおもちゃなどのレクレーションキットの配布もしています。

「我々の当面の関心は、子どもたちの命を守ることでした」ユニセフ緊急支援部門のチーフ、ゲリー・ダイヤーは話します。「子どもたちの多くが体にケガを負っていて治療が必要でした。次に、子どもたちを家族や親戚と引き合わせたり、また孤児になってしまった子どもの養育者を探すことでした。そして現在、ユニセフは、子どもたちの将来を見据え心理的な支援に取り組まなければなりません。学校では他の子どもたちとの交流の機会が得られるだけではなく比較的安全な環境で過ごすことができます。そのため被災したすべての国で、今月、学校が再開できるよう取り組んでいます」

ユニセフは、地域一帯で「スクール・イン・ア・ボックス」を配布しています。この中には、鉛筆、練習帳、黒板などが入っています。津波によって教員1,000人が命を落としまた151校が被害を受けたスリランカでは、27万人の子どもたちに学用品が届くよう、3,000セット以上の「スクール・イン・ア・ボックス」が配布される予定です。ユニセフは、スリランカでは1月20日までにすべての学校を再開することを約束しています。

また、緊急支援を必要としている国々へは引き続き支援を実施していきます。緊急事態にあった最初の数日間で、津波の被害で身にまとっていたもの以外すべてを失った数千人の人々に対して3万枚以上の毛布、寝袋、衣類を届けました。

インドネシアとスリランカだけでも100万人以上の人が今回の津波で家を失いました。シェルターの提供もユニセフの優先事項の一つです。ユニセフは、ベルギー政府からスリランカに対して提供された20トン分の防水シートとテントの配布を支援しています。さらに、先週末には3機に搭載された支援物資が届きました。インドネシアではユニセフの職員とボランティアが2万4,000枚の防水シートを配布しました。

最も被害の大きかった地域では、公衆衛生面でのインフラが崩壊しています。人道支援関係者たちは病気の蔓延を懸念していますが、これまでのところ薬品や清潔な水の供給で、なんとか生存者の健康を維持しています。水タンクを搭載したユニセフのトラック2台が、難民キャンプで暮らす子どもと女性を支援するためインド南部のタミル・ナードゥ州へと向かいました。インドでは、ユニセフはオランダの国境なき医師団とともにより遠隔地へ物資を届けるために輸送を支援しています。海岸地域に住んでいる子どもたちを対象に予防接種を実施することも計画しています。予防接種の実施に向けてユニセフは25トン分のコレラ予防用の薬品を送っています。

 

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◇ 募金のお願い ◇

 (財)日本ユニセフ協会では、被災地域におけるユニセフ活動を支援するための募金を、下記の方法で受け付けています(当協会への募金は寄付金控除の対象となります)。皆様のご協力をお願い致します。