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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

ダルフール北部で予防接種キャンペーンを実施
数千人の子どもたちがはしかから守られる

カルトゥーム/ジュネーブ/ニューヨーク
2004年9月8日

 2004年6月に行われたキャンペーンでは、ダルフール地域の200万人以上の子どもたちがはしかの予防接種を受けましたが、そのフォローアップとなるキャンペーンが9月7日から始まりました。今回のキャンペーンでは、ダルフール北部の武装勢力支配地域に暮らす、生後9カ月から15歳までの子ども15万人が、さらに予防接種の恩恵を受けることになります。

 慢性・急性の栄養不良を患う子どもたちにとって、はしかは生命の危険を伴う病気です。9月8日から13日までのキャンペーン第1段階では、武装勢力各派の間に、キャンペーン継続のための環境を整備することが主眼となります。

 7月から8月にかけて行われた数度にわたる慎重な交渉の結果、国連とスーダン解放運動(SLM)は、SLMが支配する地域に住む子どもたちを対象に、ポリオとはしかの予防接種を行うことで合意しました。

 6月いっぱいにわたって実施された大規模なキャンペーンの結果、子どもたちのはしかの罹患率、およびはしかによる死亡率がともに大幅に減少しました。今回新たに行われるキャンペーンによって、さらに多くの子どもたちが予防接種を受け、今後3〜4年間にわたってはしかの大規模な流行を抑えることが可能になるはずです。今回のキャンペーンは、スーダン保健省、SLM、世界保健機関(WHO)、およびユニセフの協力によって実施されました。

 「私たちは、容易にアクセスできる子どもだけに限らず、すべての子どもたちの死亡率を削減したいのです。紛争によって治安が悪化し、最も基礎的な保健サービスへのアクセスが断たれたとき、犠牲を強いられるのは子どもたちなのです」ユニセフ・スーダン事務所代表のジョアンナ・バン・ゲーペンは述べました。「SLMとの交渉は7月に始まりました。SLMは我々の提案にとても前向きな反応を示してくれましたが、一方で、物流の面からその実現性については慎重な態度を崩しませんでした

 WHOスーダン事務所の代表、ギュイド・サバティネリ氏とユニセフのゲーペン氏は、8日にダルフール北部で開催されたキャンペーン開始を祝う記念式典に出席しました。「物流面での複雑さには想像に余るものがあります」サバティネリ氏は述べました。「子どもたちの居場所は広大な領域に広がっているため、子どもたちのもとへ辿りつくために、ラクダやロバなども含めて、我々はあらゆる手段をつくさなければならないのです」ワクチンやワクチン運搬用の容器、注射器やその他予防接種に必要な物資を遠隔地へ運ぶために、国連食糧計画(WFP)がヘリコプターなど、物流面でのサポートを行っています。

 今回のキャンペーンは、広大なダルフール地域に偏在するさらに多くの人々への保健サービス等の提供をも予感させるものだとサバティネリ氏は述べました。

 キャンペーンは、イタリア、アメリカ、イギリス、ECHO(欧州委員会人道援助局)、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団、そしてユニセフ・オランダ国内委員会からの資金協力により実現したものです。

 はしか予防接種キャンペーンは、ワクチンの輸送面で膨大な量の調整作業が必要となるため、計画から実施までに通常1年間の準備期間を必要とします。しかし、ダルフール地域の子どもたちが直面する状況は緊急な対応を必要としていました。6月、そして9月のダルフール地域における予防接種キャンペーンは、すべての関係者が子どもの利益を最優先に考えるならば、物流・財政・政治的な困難も命を守るための援助活動の障害とはならないことを証明してくれました。

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