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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

スーダン・ダルフールで激化する子どもたちへの暴力行為
ユニセフが強い懸念を表明

ジュネーブ/ニューヨーク
2004年11月18日

スーダン西部ダルフール地方で発生した武力衝突。その影響で多数の人々が故郷を追われていますが、こうした避難民を収容するキャンプやその周辺では、女性や子どもたちに対する暴力行為が減少するどころか、増加の一途をだとっている−ユニセフは本日、このような声明を発表しました。

 現地で活動する援助機関が行ったモニタリングの結果は、「状況は統制下にあるという一部の主張とはほど遠いものです」とユニセフ事務局長のキャロル・ベラミーは述べました。

 キャンプに到着する避難民の数は着実に増えつづけており、キャンプとその周辺で発生する暴力行為も急増。紛争地域で活動を続ける援助機関はこうした事態に懸念を表明しています。

 子どもたちは親から引き離されて新しいキャンプにトラックで移されたり、政府によるキャンプの移設中に負傷しているとも言われます。避難民を強制的に移動させることは、国際人道法上、並びに最近スーダン政府が自ら署名した合意事項に明らかに違反するものです。

 武装した民兵による女性や女の子たちに対するレイプが、個人や家族、コミュニティに対する威嚇手段として行われています。今日まで、こうした行為を行った犯罪者が適切な法的処置を受けたという報告はほとんどなされていません。多くの女性や女の子たちが、嫌がらせやレイプの恐怖に脅えながら、日々必要となる薪を求めて、毎日6時間から8時間もかけて歩きまわっています。

 「こうした人々の命を守ることができるのはスーダン政府以外にありません」ベラミー事務局長は述べました。「スーダンの子どもたちが暴力や不安定な治安状況に直面しているという報告が続く限り、ユニセフはそうした行為の当事者に対して責任を求めていきます」

 「子どもたちは祖先から受け継いだ土地から追いやられているだけではありません。子どもたちは恐るべき暴力行為を目の当たりにし、その犠牲者となっているのです。暴力から逃れようと取るものも取りあえず逃げ惑う中、健康を崩しています。家族と一緒にキャンプに逃げ込んでも、今やその中でも身の安全が保障されていない状況です」

 ベラミー事務局長の声明は、19日にケニアのナイロビで開催される国連安全保障理事会前日に発表されました。会議の場では、スーダン人民解放戦線とスーダン政府による和平交渉、およびスーダン国民の保護について話し合いが行われる予定です。

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