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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

エジプト:ヨード欠乏症根絶に向けた官民協力始まる

【2006年6月21日、カイロ発】

(C)UNICEF Egypt 2005

ヨード欠乏症。子どもの脳に障害を与える単一の原因として一番大きな、しかし予防可能なこの問題の根絶に向け、エジプトが大きな一歩を踏み出しました。エジプト政府は、これまでもヨード欠乏症に向けた取組みを進めてきましたが、今回、民間の製塩業者の専門家が、保健人口省や国立栄養研究所等の関係諸機関のトレーニング(講習)に参加したのです。

ユニセフと米国国際開発庁(USAID)の支援によりファイユーム州で4日間にわたって開催されたワークショップでは、まず、11名を対象に「トレーナー」となるための講習を受けました。その後、この11名が、講習の仕上げとして、保健や食糧関連業務に携わるエジプト各地のスタッフやファイユーム州の職員21名に対するトレーニングを実施しました。今回講習を修了したトレーナーは、エジプト国内でもヨード欠乏症問題が深刻なミニヤー、ベニスエフ、メノウフィア、シャルキーヤの各州で、関連職員のトレーニングを行います。

今回の講習では、エジプトにおけるヨード欠乏症の現状と、予防におけるヨードの役割が説明され、参加者は、1990年代中頃から使用されているヨード添加塩が、すべての人々、特に子どもたちにとって、日々必要なヨードを確実に摂取できるための最も効率的で、持続可能で、安全な手段であることを学びました。また、講習はヨード添加塩の生産、管理、マーケティングに関する技術的な問題も網羅しています。

また、講習参加者は、ファイユームのエミサル製塩工場も訪問。ヨード添加技術を視察する機会も持ちました。

(C)UNICEF Egypt/2006/Yousry Ak

1990年代初頭以降、エジプトのすべての家庭がヨード添加塩を手に入れることができるようにするため、ユニセフが支援する国家的なプログラムが進められてきました。しかし、エジプト政府は、この問題の解決の為には、ヨード添加塩の品質管理や使用の徹底に関して、特にヨード欠乏症の問題が大きな地域において、より一層の努力が必要だということを認識しています。

残念ながら、多くの工場が、今だにヨードを添加していない塩を生産し続けています。ヨード添加塩に較べ小売り価格が安価にできるからです。ヨード摂取の重要性が、一般の人々にまだまだ認識されていないために、「安い」という理由でヨードを添加していない塩の方が好まれてしまっています。

ユニセフは、厚生人口省をはじめとする関係諸機関と協力し、アレクサンドリア、ポートサイド、北シナイとファイユームの各製塩工場に、ヨード添加塩を製造するのに必要なヨウ酸化カリウムを調達、提供しています。また、各工場や店頭、家庭で食塩のヨード添加濃度を確認するために必要なテストキットを提供しています。

昨年、エジプト政府は、食塩の生産、消費、ヨード添加化の各項目について、包括的な現状調査を実施し、全食塩のヨード添加という目標を達成するための勧告を作成しました。ユニセフは、今後3年間でエジプトからヨード欠乏症を撲滅するという目標を達成するために、保健人口省、国立栄養研究所等と協力し、活動してまいります。

 

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