メニューをスキップ
財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

ユニセフ、世界の宗教指導者に平和のための連携を訴える

【2006年8月26日 京都発(オリジナル:英語)】

Religions for Peace

ユニセフ事務局長アン・ベネマンは、子どもたちを貧困や病気、あらゆる暴力の脅威から守るため、世界の宗教指導者に、さらなる連携を訴えました。

ベネマン事務局長は、8月26日から29日まで京都で開催されている世界宗教者平和会議第8回世界大会で、次のように述べました。「今世界では、途方もない数の人々が、永続的で本当の意味で平和な生活を送れない状況におかれています。世界中で次々と起こる紛争。それらは、人類を分かつものが絶えず存在することをしめしているのです。しかし、(分かつもの)以上に、私たちを結びつけるもののほうが多くあります。例えば、子どもの生存と幸せを願う気持もその一つです」

ベネマン事務局長は、子どもと女性が世界の開発目標の中心的目標で、この目標の達成と平和(な世界の実現)とは、表裏一体の関係にあることを強調しました。

「今世界では、10億人が1日1ドル未満での生活を余儀無くされ、毎年1、050万人の子どもが予防可能な病気で命を失っています。飢え、あらゆる危機や不平等が、平和と安定を蝕んでいるのです」

ベネマン事務局長は、女性事前会議にも参加。ミレニアム開発目標を達成する取組みにおける女性の役割の重要性を訴えました。

女性の地位は、教育、平均寿命、選挙制度、雇用機会等の分野においては向上した面も見られますが、一般的にはまだ不平等が存在し、それがミレニアム開発目標の実現に向けた取り組みにおいて障害になっています。特に健康(の維持)と教育へのアクセス、また(女性に対する)暴力という点で、女性が不平等と搾取から困窮しています。

「男女間の不平等(Gender inequality)は、貧困や病気と同様、悪循環を形成する要素となっています。女性の立場を向上させることで、この悪循環を断ち切ることができるのです」「女の子や女性が男の子や男性と等しく扱われる時、家庭、職場、国政・行政などの場で、女性の能力が最大限に発揮されるのです。その恩恵は計り知れません」

ベネマン事務局長は、女性が世界の仕事の66パーセントを行い、食糧の半分を生産しているにも関わらず、世界の貧困生活者の70パーセントを占め、世界の収入の5パーセント以下しか得ておらず、富の1パーセント以下しか所有していないと語りました。

ユニセフは、世界各地で現地の宗教団体と連携して活動しています。宗教が持つネットワークや影響力は、最も弱い立場におかれている子どもたちの生存と成長を守るために、重要な役割を果たすためです。宗教は、その道徳的権威を用い、子どもを取り巻く諸問題への関心を高め、教育や啓蒙(アドボカシー)活動に関わり、各国政府にミレニアム開発目標達成に向けた約束を履行するよう働きかけています。

ユニセフと宗教諸団体は、世界各地で、教育・子どもの保護・保健・衛生などの分野で、子どものため支援活動に共同で取り組んでいます。

ラテンアメリカとカリブ海諸国では、ユニセフとラテンアメリカ司教会議(CELAM)が、子どもとその家族を保護するために、20年以上活動しています。

トルコでは、ユニセフは、金曜礼拝の導師で宗教指導者のイマームと協力。数年間続いているこの活動の中で、イマームは、女の子を持つ親に、娘を学校に行かせるように説得し、女子教育キャンペーンで重要な役割を果たしました。また、今年前半には、鳥インフルエンザに関する情報を伝播。人々の生死に関わる分野でも、非常に重要な役割を果たしています。

アジアでは、メコン川流域のHIV/エイズ予防とケアの分野で、地域の仏教指導者イニシアティブを通じ多くの仏教僧や教師と連携しています。

また、エチオピアでは、同国内の諸宗教の指導者とノルウェー開発協力局(NORAD)と共同。HIV/エイズを予防し、偏見を取り除くための活動をしています。有力な宗教指導者らは、HIV/エイズとともに生きる人々のケアと偏見を取り除くことの重要性について、信徒に対して啓蒙することを約束しました。

 

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る