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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

タイ:学校でも「鳥インフルエンザ予防キャンペーン」をスタート

【2006年10月10日 バンコク発】

本予防キャンペーンの最大の支援者、日本政府を代表し、タイ教育省でのセレモニーに出席された駐タイ王国特命全権大使 小林秀明氏。本キャンペーンが、タイ・日本・ユニセフの3者協力の素晴らしい好例であるとのメッセージを寄せられました。

タイの子どもたちを鳥インフルエンザの脅威から守るため、タイ教育省は10日、全国の小・中学校で予防キャンペーンを開始しました。

4万を超えるタイ全国の小中学校で展開されるこのキャンペーンでは、手洗いの励行や、死んだり病気にかかっている鳥を見つけたら直ぐに報告するといった、H5N1型鳥インフルエンザの流行を防ぐためにしなくてはならない事を、子どもたちに伝えてゆきます。

キャンペーンのスタートにあたり、タイ教育省のカサマ・バラバルン氏は、本キャンペーンに用いられるポスター等の様々なツールが、教育省、ユニセフ、保健省、日本政府、その他関係諸機関の緊密な協力によって、異例の早さで製作されたことを報告し、関係者に対し謝意を示しました。

予防キャンペーン用ポスター

キャンペーンの展開にあたり、日本政府の支援によりユニセフが、タイ保健省や、WHO(世界保健機構)、FAO(国連食糧農業機関)の技術支援を得て製作したポスターとチラシ各200万枚が各学校に配られました。また子どもたちが、鳥インフルエンザの流行を防ぐために行わなければならない事をきちんと理解できるよう、新しいカリキュラムも作られ、小学校には手洗い用の石鹸30万個も配布されました。

「これ(ポスターの配布など)は、鳥インフルエンザ防止活動の『ほんの始まり』に過ぎません。配布されたポスターやパンフレット、そして新しいカリキュラムが活かされるかどうかは、それを扱う学校の先生方の力量にかかっているからです。しかし、先生方はきっと素晴らしい成果を挙げてくれるでしょう」教育省のカサマ氏はこのようなコメントを寄せています。

タイでは、2004年に人のH5N1型ウイルス感染が初めて確認されてから、鳥インフルエンザによる死亡者は17名にのぼり、うち11人が18歳未満の子どもでした。今年は、現在までに3人の死亡が確認されており、タイ北部ノーンブワラムプー県の60歳の男性が、もっとも最近の犠牲者です。

世界で4番目に大きな養鶏産業を擁するタイでは、これまでに、少なくとも30の県の養鶏場で鳥インフルエンザの発生が確認されています。感染の拡大を防ぐため、何百万羽ものアヒルやニワトリが処分され、養鶏業者は、その経営規模にかかわらず、深刻な経済的ダメージを受けました。

2003年以降、H5N1型ウイルスは世界10ヵ国で250人以上に感染し、148名の死者を出しています。世界の医療専門家は、H5N1型ウイルスが変異し、人から人へ容易に感染するようになった場合、数百万人が感染する世界的な危機になると予想しています。これまで報告・確認されたほぼ全てのケースは、H5N1型ウイルスが、病気の鳥や鳥の死骸に近づいたこと(例えば、子どもが鳥と戯れたり、鶏肉を加工したり)によって感染したことが確認されています。

ユニセフ タイ事務所代表イネス ザリティスは、ユニセフとしてのメッセージを次のように伝えました「このキャンペーンの目的は、H5N1型ウイルスの、鳥から人への、特に子どもへの感染の拡大を防ぐことで、ウイルスが(人から人へ感染する形態に)変異する可能性を小さくすることにあるのです。また、このキャンペーンを通じ、子どもたちは鳥インフルエンザ以外の様々な危機に対応するために必要な基本的な生きる術(ライフスキル)を向上させていくでしょう」

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