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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

エイズ:子どもを襲う新たな脅威 もはや「対岸の火事」ではない!
日本小児科学会、ユニセフとともに 日本の子ども、世界の子どもを守る行動を訴える

【2006年11月19日、東京発】

(社)日本小児科学会(会長 別所文雄 杏林大学小児科)は、ユニセフ東京事務所(代表 浦元義照)、(財)日本ユニセフ協会(会長 澄田智)との共催・協力で、本日開催した公開フォーラム『世界の子どもとエイズ問題』を通じ、次の声明を発表した。

  1. 世界的にエイズは、大人だけの問題ではない
    1. エイズで親を失った子ども=1500万人(日本の小中高生の総数を上回る)
    2. HIVに感染している子ども=220万人
    3. エイズ関連の疾患で命を落とす子ども=毎分一人
    4. HIVに感染する若者=毎日6000人。
    エイズの広がりを見れば、これが局地的な問題ではなく地球規模の課題であることは明らかである。HIV/エイズが発見されてから25年。この間、エイズは主に大人の問題として捉えられ、対策(サービス)も大人を中心に実施されてきた。一方、この間、国際社会は、大人たちの陰でHIV/エイズの直接・間接的被害を受けている子どもたちの現状を大きく見落としてきた。日本小児科学会は、ユニセフと共に、「子どもたちを取り巻くエイズ問題」と、その解決に向けた行動を訴える。
  2. 日本でも子どもや若者が感染しており、今行動しなければ、手遅れになる。
    先進国の中で唯一、日本のHIV感染は確実に、特に20〜30代の若者の間で急速に広がっている。若者の性感染症も増加しており、今後のHIV感染の増加を危惧させる。また感染予防の技術があるにもかかわらず、HIV母子感染例の報告も増えている。すなわち、日本の子どもたちもまた、エイズの影響を受け始めており、日本の現状はすでに「待ったなし」の段階に来ている。HIVは、インフルエンザなど他の感染症と比べても、圧倒的に感染力が弱く、かつ非常に容易に予防できる疾患である。日本小児科学会は、国内での感染の拡大を防ぐために、また、子どもたちを不必要な危機に晒さないために、国民一人一人の自覚と責任ある行動を強く訴える。
  3. 日本は、HIV/エイズの分野でも、より一層の国際協力を進めるべきである
    国際協力の世界で大国となった日本も、HIV/エイズの分野においては、他の先進国の後塵を拝している感は否めない。また、抗ウィルス剤の開発・生産・普及など、インド・ブラジルと他の開発途上国の間に見られる「南南協力」等は、技術立国である日本の民間セクターにも、活躍の大きな場があることを示唆するものと信ずる。日本小児科学会は、ユニセフとともに、HIV/エイズの分野でも、日本の官民を挙げた国際協力の一層の推進を訴える。

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