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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

スーダン:ポリオ・フリーを維持する全国予防接種デー
全国800万人以上の子どもたちを対象に3日間のキャンペーン開始

【2007年3月25日 ハルツーム/ジュバ発】

スーダンでは2007年最初の全国ポリオ予防接種デーが、3月26日(月曜日)から始まる。3日間のキャンペーン期間中、対象となる子どもを見落とすことがないようとくに注意が払われる。

第1回目のキャンペーン開始前夜、ユニセフ・スーダン事務所長テッド・チャイバン氏は、すべての子どもに予防接種を行う必要があることを強調し、次のように述べた。「スーダンでポリオの新たな発症が出ないようにするためには、予防接種チームがすべての地域社会、すべての世帯、5歳未満のすべての子どもたちに到達しなければならない。そのためにはワクチンの備蓄が十分であること、必要な物流システムが整備されていること、ワクチン接種者が子どもの居場所の把握方法や接種後の登録方法の訓練をきちんと受けていること、ポリオの予防接種がスーダンのすべての家庭において優先事項となるようメッセージを普及させることなどが必要である」

全国予防接種デーの期間中、スーダン全体で約870万人の5歳未満児が対象となる。これには南部スーダンの270万人も含まれる。キャンペーンは、中央および地方レベルで政府の保健当局が中心となって実施し、ワクチンや技術的支援および資金をユニセフ、世界保健機関(WHO)、そのほかの協力団体が提供する。地元のNGOもキャンペーン実施に参加することになっており、その経費は毎回300万米ドルと見積もられている。

スーダンのWHO事務所長モハマド・アブドゥラブ氏は、同国では2004年から2005年に155件の発症が報告されたが、2006年にはポリオ予防接種活動の成功により症例の報告がなかったことを強調し、次のように述べた。「一連の予防接種キャンペーンの実施に加え、現行のヘルス・ケアの一環として定期的な予防接種を実施することで子どもの予防接種率を高めることが、スーダンのポリオ・フリーの維持に不可欠である」

「スーダンを取りまく国々にはまだポリオが残っているため、我々は今後も油断せずに見守っていかねばならない。今週の全国予防接種デーは、深刻な被害をもたらすポリオ・ウィルスからスーダンを守るために重要な役割を果たすことになるだろう」

国内の一部地域では、依然として治安状況が不安定なため、予防接種活動が妨げられる可能性が残っている。2006年11月に行われた前回のポリオ予防接種キャンペーンでは、ダルフール地方の少なくとも20万人の子どもたちに予防接種を実施することができなかったとユニセフは推測している。その大半の理由が治安の問題であった。WHOとユニセフの事務所長は、ダルフールのすべての紛争当事者に対し、ワクチン・チームの人道的使命を尊重し、ダルフール地方にある3県でチームの安全を保証するよう呼びかけた。

「これらのチームは、そのメンバーがNGOの保健員であれ政府の予防接種担当者であれ、子どもの健康を守りスーダンからポリオをなくすという目的のためだけに働いている。彼らの仕事は純粋に人道支援である。ダルフールに影響力を持っている人々に対し、予防接種員の自由な移動を保証するよう強く求める」とチャイバン氏とアブドゥラブ氏は述べた。

スーダンの全国ポリオ予防接種デーは、カナダ、日本およびアメリカ(米国国際開発庁と海外災害援助室)の政府、アメリカ疾病管理予防センター、国際ロータリークラブなど多くのドナーから資金面での支援を受けて行われる。

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