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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

ユニセフ・レバノン事務所がUNRWAに協力
ナハル・アルバリド難民キャンプにとり残された子どもと女性の緊急のニーズに対応

【2007年5月25日 ベイルート発】

レバノン北部のナハル・アルバリド難民キャンプからは、現在も数万人のパレスチナ難民が脱出を続けている。ユニセフは、この戦闘と避難が子どもたちの重い負担になっている、と述べている。ユニセフ・レバノン事務所は、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を支援し、緊密な連携をとりながら、子どもと女性のもっとも緊急なニーズに対応することを最優先している。

ユニセフは、ナハル・アルバリド難民キャンプ内に残っている子どもとその家族の安全を守るため、UNRWAとそのパートナーNGOの活動に協力している。5月25日現在、戦闘にまきこまれたキャンプ内には民間人約1万人が残っていると推定されており、それらの人々はきわめて短い休戦の隙間をぬって行われる断続的な人道支援に頼って生活している。キャンプ内の子どもと家族の安全を確保すること、そして人道援助が人々に到達することが、あらゆる協力機関・団体にとって最優先事項とされねばならない。

緊急事態への対応、水と衛生、子どもの保護についてのユニセフの専門家が、今週トリポリを訪れたUNRWA調査団の一行に加わった。トリポリ近郊のバダウィ難民キャンプには、現在およそ1万〜1万5,000人の難民が生活している。バダウィ難民キャンプ内にある5つの学校は授業をやめて、5,000人以上にのぼる難民の収容センターになっている。センター内はきわめて過密な状態で、人々はマットレスの上で寝起きしている。さらに何百世帯もの人々が、バダウィ難民キャンプ内にある狭いアパートで暮らす友人や親戚のもとに身を寄せているほか、キャンプ内のゲストハウスやセンターに寝泊りしている。また1,000人以上の難民が北部レバノンを後にし、レバノン国内の他のパレスチナ難民キャンプへと移動した。

ナハル・アルバリド難民キャンプに住む子どもたちは、言い表せない心の傷を体験してきた。難民として暮らすなかで、子どもたちは自分の家が破壊され愛する人たちが殺傷されるのを目の当たりにし、また家の中に隠れて周囲の銃声を聞いてきた。ユニセフは子どもたちの身体的なニーズに応えるとともに、UNRWAとパートナーNGOとの協力のもと、できるだけ子どもにやさしい生活環境を創りだすこと、子どもたちが学校にもどれるようにすることなどに尽力し、子どもの情緒面の回復に努めている。情緒面の回復にきわめて重要な“ふだんの生活の感覚”を取り戻すことに加え、さらに上の教育に進むための資格試験を控えた青年たちにとっては、教室に戻ることがきわめて重要である。

UNRWAおよびパートナーNGOとの緊密な調整のなか、これまでにユニセフは以下のような物資とサービスを提供した。これらの物資はすでに送り出されたもの、あるいはその手続き中のものである。

水と衛生
  • 2ℓ入り飲料水ボトル2,900本
  • 5ℓ入り飲料水ボトル9万本
  • 折りたたみ式水タンク(容量各5,000ℓ)24個
  • 水タンク19個(容量各1,500ℓ)
  • 水処理設備(1,400世帯に清潔な水を供給)
  • 180世帯分の衛生キット
    (石けん・シャンプー・歯ブラシ・歯磨き粉・オムツ・洗剤・トイレットペーパー・タオルなど)
  • 100世帯分の水キット(容器・バケツ・石けん・浄水剤)
保健
  • 分娩150回分の産科キット
  • 基本的医薬品(抗生物質・経口補水塩・ぜんそく/アレルギー用薬品・下痢用薬品)とその他の基礎的医療器具
  • 母乳育児と栄養問題について、NGOへの技術的支援
子どもの保護
  • レクリエーション・キット(ゲーム・紙・ペン・スポーツ用品)
  • 住む家を追われ、弱い立場にある子ども(とくに女の子)の安全に関する情報資料の作成
    (誘拐からの保護等)

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