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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

ユニセフ、イラクでコレラ流行の防止を支援
推定で2,000人が発症、さらに流行が広がるおそれ

【2007年8月29日 アンマン/エルビル発】

ユニセフは、イラク北部のスレイマニアとキルクークで発生したコレラの犠牲者を助けるため、緊急の支援を実施した。

地元当局の報告では、今回2,000人以上が発症し、5人が死亡、さらにこの2日間だけで約500人が重い下痢症状のために入院したとのこと。47件は真性コレラと確認されたが、この数は今後増えると見込まれている。コレラ発生でおとなたちも大きな影響を受けているが、子どもたちはきわめて危険な状況に置かれている。

犠牲者の多くを治療しているスレイマニアとキルクークの病院を支援するため、ユニセフは4,000人分のカニューレ(挿管)と注射針、15,000袋の経口補水塩(ORS)を支給した。ORSは重症の下痢が引き起こす脱水症状での死亡を防ぐために不可欠である。さらに今日、安全な飲料水キット4,000個がスレイマニア地域の家庭に配られたが、この地域では、多くの国内避難民が危険な状態にある。

ユニセフのチームは、罹患者を発見したり、人々が汚染された水を利用して病気が流行するのを防ぐため、総合的なモニタリングや地域社会の意識向上プログラムを実施している保健関係者や他の機関に対して支援を行っている。また、ユニセフは、保健関係者に対して、重症の下痢への対処・治療方法に関する追加訓練を行い、病気の抑制に努めるほか、地元当局や世界保健機関(WHO)と緊密な連携を取り、対応策を調整している。

今回の病気の発生は水質と下水処理に深刻な問題があることが主な要因であると言われているが、スレイマニアでは、十分な水の供給を受けているのは人口のわずか30%に過ぎず、主な市街地やその近郊も、水道水は日に2時間しか使えないのが普通である。スレイマニアにおける7月以降の水質報告によると、市内の水のわずか50%しか塩素処理されておらず、また、多くの人々が戸外に浅い井戸を掘る事態になっている。

コレラが流行すれば、いっそうの支援が緊急に必要となるだろう。それには、脱水症状を防ぐために亜鉛を添加したORSや浄水タブレットをさらに多く配布すること、短期的な水の輸送、衛生習慣の向上を推進するキャンペーンの実施などが含まれる。さらに、ユニセフは、影響を受けている地域の世帯に対し、子どもたちが未処理下水に近づかないように注意すること、常に石鹸で手を洗うこと、浄水したり煮沸した水だけを飲用とすることなどを呼びかけている。

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