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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

エチオピア、子どもの生存を脅かす栄養不良
約12万6000人に緊急支援が必要とされているが、資金が不足

【2008年5月20日 ジュネーブ/アディスアベバ発】

推計12万6000人の子どもたちが重度の栄養不良で、緊急に治療を必要としている。ユニセフ・エチオピア事務所は今日(20日)、5歳未満児の約600万人が貧窮化した渇水に見舞われている地区での生活を余儀なくされており、保健栄養対策活動が急務であると警告した。

この状況は2003年に起きた大きな人道危機以降最悪となっており、今も悪化の一途をたどっている。保健・栄養・水と衛生施設のために5000万米ドルが早急に求められている。

ユニセフ・エチオピア事務所のビヨーン・ユングクヴィスト所長は次のように述べた。「干ばつ被害と食糧価格の高騰、予防手段を講じるための資金不足があいまって、エチオピアの子どもの生存が著しく脅かされる緊急事態を招いたことは、きわめて残念なことである。重度の急性栄養不良を予防し、増加に対応するメカニズムと能力はあるのだが、資金が不足している状況だ。」
広範にわたる干ばつ、雨季の降雨量不足、多大な家畜損失、限られた食糧供給、世界的な食糧危機と結びついた食品、燃料および肥料の価格高騰などが、エチオピアの子どもたちに深刻な事態をもたらしている。たとえば2007年9月以降、価格が50%〜90%も上昇した穀物があり、世帯によっては家族のニーズに十分な食物を購入することが難しくなっている。

オロミア州、ソマリ州などエチオピア南部・南東部で降雨量不足に見舞われている放牧および農業地帯は、もっとも深刻な影響下にある。ほかにもアムハラ、アファール、ティグレイの各州も状況が悪い。慢性的な食糧不安のなかで国のセイフティネット・プログラムの支援を受けている800万人のエチオピア人のほかに、さらに少なくとも340万人が緊急の食糧支援を必要としている。そしてこの数値は増加する見込みである。

栄養治療センターに収容された子どもの数も増加しており、重度の栄養不良の子どもたちを対象とした特別食や治療の提供に対応するため地域社会にも重圧がかかっている。

ユニセフはプランピー・ナッツなどの栄養補助食品によって、重度の栄養不良にかかった子どもたちに食事療法を実施している。週末にかけて、ユニセフは90tの栄養補助食品を受け取っているが、今後3ヶ月間でさらに1800tを必要としている。

治療のための備品提供を増やすために、緊急に資金援助が必要である。ユニセフは、緊急栄養対策だけで2,000万米ドルを要請したが、これまでに集まったのはその5%に当たる100万米ドルに過ぎない。はしかのワクチン、下痢性疾患のコントロール、保健・栄養活動の末端への拡大、緊急の飲料水輸送や衛生施設などのために、さらに3000万米ドルが求められている 。

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