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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

パキスタンの紛争で難民となった子どもたち

【2009年5月8日 イスラマバード/パキスタン発】

ユニセフ・パキスタン事務所は、パキスタン北西部における軍事勢力と政府との武力衝突で避難を余儀なくされた人々が数千人いる現状について、深い懸念を表明した。

過去2週間に約8万2,000人が紛争地域から避難した。政府や人権支援団体は、スワート地区で発生した軍事衝突により、80万人以上が避難を余儀なくされる可能性があると推定している。避難キャンプやその他のコミュニティでは、これまでにすでに55万人が避難生活を強いられている。

こうした中で、最も弱い立場にあるのは子どもたちである。暴力を目撃し、避難を経験し、教育が中断され、保健サービスが受けられない。避難してきた人々は、ほとんど何も持っておらず、飲料水や衣類、食糧、避難所、保健ケアなどを必要としている。

国連諸機関が連携して行なう対応策の一環として、ユニセフとパートナー団体・機関はパキスタン政府および州政府と緊密に協力し、親戚のところへ身を寄せている人や、新たな避難民を受け入れている3ヵ所の新しい難民キャンプに支援を行っている。

子どもたちの間の病気の流行を予防するため、ユニセフ・パキスタン事務所は飲料水、衛生施設、衛生キットなどを新しい避難キャンプに提供している。5歳未満児1万人以上に、ワクチンの接種を実施した。孤児、親や保護者のいない子ども、女性が一家を支えているような家族にも支援を行い、子どもを対象に衣類を提供している。ユニセフはまた、新しい避難キャンプ1ヵ所において200人の子どもを受け入れる小学校の開設を支援し、その他の避難キャンプでも学校を拡大する活動を行なっている。

ユニセフ・パキスタン事務所はまた、紛争の影響を受けている地域で今も暮らしている人々、とくに子どもに人道上の問題が起こることを懸念している。ユニセフはすべての当事者に対し、武力紛争の影響から子どもたちを守るための方策をすぐに講じること、難民および紛争地域内の民間人を対象とする人道支援ワーカーや物資の安全な通過を保障するよう求めている。

北西辺境州のブネル、下ディール、スワートの各地区で戦闘が激化する以前、すでに55万5000人余りが避難していたが、そのほとんどは借家または難民受け入れ地域で生活していた。そのうち11ヵ所の避難キャンプにいる約9万3,000人をユニセフやその他の国連機関、政府、パートナー団体・機関が支援してきた。

今日までにユニセフ・パキスタン事務所は子ども2万1,000人を対象とした定期的な予防接種サービス、栄養不良児のための栄養補給、避難キャンプにいる7万2,000人および受け入れ地域の4万2,000人を対象とした水と衛生施設などを支援している。また子ども保護のネットワークを作り、避難キャンプにいる子どもたちをキャンプ内の学校に入れたり、受け入れ地域にある学校を2部制にするなどの対策を行なった。

国連機関が連携して実施する水と衛生施設、栄養、教育分野での対策活動のため、ユニセフ・パキスタン事務所は緊急に1,000万米ドルを国際社会に求めている。これはスワート地区での紛争で新たに避難を強いられた人々に緊急に支援を提供し、既に避難生活を送っている人々のための活動を継続するための資金である。

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