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公益財団法人日本ユニセフ協会
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東日本大震災復興支援 第245報
児童虐待防止キャンペーンをサポート
昨年度、全国における児童虐待相談は7万件以上

【2014年11月5日 盛岡発】

写真提供:岩手県庁子ども子育て支援課
© 岩手県庁子ども子育て支援課
写真提供:岩手県庁子ども子育て支援課

厚生労働省によれば、2013年度に全国207カ所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は7万3,765件で、これまでで最も多い件数となっています。年々増え続ける子どもへの虐待を防止するため、厚生労働省は、2004年から、児童虐待防止法が施行された11月を「児童虐待防止推進月間」に定め、全国の自治体や民間団体とも協力し、児童虐待を防ぐためのさまざまな取り組みを推進しています。

岩手県も、児童虐待防止法の成立に先立つ2001年11月に「児童虐待防止いわて宣言」を発表。その後も、2002年2月に「児童虐待防止対策指針」を策定し、同じ年、「児童虐待防止ハンドブック」を制作(2006年3月改訂)。2005年9月には「児童虐待防止アクションプラン」を策定(2008年4月改訂)」するなど、さまざまな取組みを進めてきました。

日本ユニセフ協会の取り組み

日本ユニセフ協会では、東日本大震災緊急・復興支援事業の一環として、震災発生の年から、岩手県をはじめとする各地の自治体の取り組みに連動しながら、児童虐待も含めた子どもに対するあらゆる暴力の防止に取り組んでいます。沿岸部自治体の児童虐待防止の取り組みを支援するために、チラシなどの啓発ツールやラジオ公共CMの制作・提供、CAPプログラム(子どもに対するあらゆる暴力防止のための人権教育プログラム)を推進するための暴力防止スペシャリストの養成や暴力防止ワークショップの実施などを支援。今年は、岩手県保健福祉部の要請で、同県沿岸部を走る路線バスに啓発用の横断幕の制作費用を支援しました。

多くの市民の目が集まるはず

岩手県は、「児童虐待防止推進月間」に合わせて実施しているさまざまな児童虐待問題に関する普及啓発活動の一つとして、児童虐待が疑われるケースを一般の方々が通報したり、虐待や加害に悩む子どもや保護者の方々が相談できる電話相談窓口の全国共通ダイヤルを紹介する横断幕を、県内各地を走る路線バスに取り付け、児童虐待の防止、早期発見・早期通報のより一層の強化を図ってきました。

震災で特に大きな被害を受けた岩手県沿岸部。かつて海岸線のすべてのまちを結んでいた鉄道は、まだ完全には復旧していません。「多くの人々の足になっている路線バスは、バスに乗らずに自家用車などで移動する多くの市民の目にも留まり易いはず」「一人でも多くの方々に、“相談できる”“知らせることができる”ところ=電話番号があることを知っていただければ」。児童虐待問題に関わる多くの方々のそんな期待が込められた横断幕を掲げた路線バスが、今日も、復興の槌音が響く岩手のまちを走っています。

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