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公益財団法人日本ユニセフ協会

ナイジェリア:拡大する人道危機
暴力により100万人が避難
家や学校、命まで奪われる子どもたち

【2015年1月20日 ジュネーブ/ダカール/ニューヨーク発】

ナイジェリアからニジェールのディファ(Diffa)に避難した17歳の男の子と8歳の妹。
© UNICEF/UNI164892/Terdjman
ナイジェリアからニジェールのディファ(Diffa)に避難した17歳の男の子と8歳の妹。

ナイジェリアにおける暴力により、自宅からの避難を強いられ、教育の機会を逃し、命にさえ危険が及ぶなど、子どもたちに深刻な影響が及んでいると、ユニセフが明らかにしました。

100万人近くが避難

「過去数週間で状況は悪化の一途を辿っており、より大規模な人道危機となりつつあります。この暴力の影響が周辺の国々へ波及しないよう、あらゆる支援を実施する必要があります」と、ユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所代表のマニュエル・フォンテーンが述べました。

ナイジェリア北部を揺るがす暴力により、100万人近くの人々が自宅からの避難を強いられており、13万5,000人以上がカメルーンやチャド、ニジェールなどへ逃れています。

最近発生した、ナイジェリア北東部バガ(Baga)に対する攻撃により、新たに周辺国へ逃れる人々が相次いでおり、その大多数は女性や子どもたちです。これにより、人道危機が地域全体に広がっています。

周辺国への難民が増加

チャドには、今月初め以降、ナイジェリア難民やチャド帰還民9,000人以上が到着しており、チャド国内に身を寄せるナイジェリア難民は、あわせて1万人を超えています。そして、100人以上の子どもたちが、両親や保護者を伴わないまま国境を渡り、避難しています。

カメルーン北部地域にあるミナワオ(Minawao)難民キャンプに身を寄せるナイジェリア難民は、2万5,000人以上。そのうち60%を子どもたちが占めており、子どもたちの栄養不良率は警告レベルに及んでいることが、最近実施された調査で明らかになっています。

ニジェールのディファ(Diffa)地域では、ナイジェリア難民や帰還民の数が急増して10万人にのぼっていますが、そのうち70%を女性と子どもが占めています。

ユニセフの支援

ユニセフはパートナー団体と協力し、避難民や難民の子どもたちとその家族に、安全な水や栄養、保健、教育、保護などの基本的な支援を実施しています。

  • ナイジェリアでは、子ども6万5,000人以上に重度の急性栄養不良の治療ケア、子ども300万人以上にビタミンAの補給を実施。訓練を受けた地域のボランティアが1万3,000人以上の子どもたちに心のケアを行った。
  • カメルーンでは、清潔な水を提供する施設10カ所とトイレ160基を設置し、衛生キット1,300セットを配布。パートナー団体と協力し、栄養状態の検査や治療ケアを実施。「子どもにやさしい空間」を4カ所設置し、社会心理的ケアを提供。
  • チャドでは、マオ(Mao)の現場事務所と協力して、チャド湖周辺地域での活動を強化し、衛生キットや栄養補助食、毛布や衣服、テント、水物資など、命を守るための支援物資を配布。
  • ニジェールでは、子ども9万6,000人以上にはしかの予防接種を実施(12月28日〜1月3日にかけて)。より多くの難民や現地の子どもたちが勉強できるよう、学校の受け入れ規模の強化も実施。

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