メニューをスキップ
公益財団法人日本ユニセフ協会
HOME > ニュースバックナンバー2015年 > ストーリーを読む
 

ネパール大地震緊急募金 第17報
支援が届きにくい山奥の被災地
「必死に探し回っていたもの」
ユニセフ、生活に不可欠な衛生キットを配布

【2015年5月21日 グルカ郡(ネパール)発】

ユニセフがバルワで配布した支援物資のひとつ、蚊帳の中に入って外を見つめるソフィヤ・グランちゃん(3歳)。
© UNICEF Nepal/2015/Panday
ユニセフがバルワで配布した支援物資のひとつ、蚊帳の中に入って外を見つめるソフィヤ・グランちゃん(3歳)。

4月に発生した地震で甚大な被害を受け、すべてを失った、ネパールの人里離れた山の村で生活を送る人々。ユニセフが配布した衛生キットが、被災した家族たちに小さな喜びを届けています。しかし、依然として多くの支援が必要とされています。

* * *

「長い間、必死に探し回っていたもの」

きれいな歯ブラシや歯みがき粉、浄水器、石けんなどが入った衛生キットが、被災した人々に配布されています。ネパールで起こった大地震で自宅や農場を失い、甚大な被害を受けた家族たちにとっては、ほんのわずかな力にしかならないかもしれません。しかし、バルバハドュール・ガレさん(46歳)は、家族の生活のためにとても重要だと話します。

「地震後、このような支援物資を受け取ったのは初めてです。長い間、必死に探し回っていたものばかりです」と、バルバハドュールさんが衛生キットの中身を手に取りながら話します。

「地震後、米やテントを持ってきてくれることはあるのですが、石けんや蚊帳など、このバックの中に入っているものを受け取ったことはありませんでした」

今は特にニーズが高まっていることもあり、村の市場では石けんが手に入りにくいと、バルバハドュールさんが説明してくれました。

ユニセフが配布した衛生キットの中に入っていた石けんで手を洗う女の子。
© UNICEF Nepal/2015/Newar
ユニセフが配布した衛生キットの中に入っていた石けんで手を洗う女の子。

時宜を得た支援

カトマンズから200kmほど西にあるバルワという村や市場は、ガレさんが暮らすシンジュグやスウォーパニ、マンブ、バーパクなど、近隣の村落へとつながる中心地です。そしてこれらすべてが、地震で特に甚大な被害を受けた地域です。

グルカ郡では4万4,000もの民家が崩壊しました。道路にも大きな被害が出ているため、バルワは陸路で支援を届けることができる最後の村です。

そのため、何百人もの人々が、支援物資を求めて何時間もかけてバルワまで歩いてくるのです。そして、そのほとんどが女性です。

「食糧支援は非常に重要です。しかし、衛生的な生活を送るために必要なものが十分手に入らず、トイレや衛生面の問題をとても心配しています。ユニセフの支援は、まさに時宜を得ています」と、コミュニティ・リーダーのプレム・グルンさんが語ります。

衛生キットには、石けんや洗剤、歯ブラシ、歯みがき粉、爪きり、生理用品、タオル、浄水器、くし、物干し用のロープ、バケツが含まれています。また家族には蚊帳も提供されます。プレムさんは、ユニセフが提供した衛生キットを住民に配布するための調整作業をボランティアで行っています。

バルワには5,000人近くが暮らしていましたが、4月25日の地震で99あった建物のほとんどが崩壊し、人々は甚大な被害を受けました。プレムさん自身も、自宅を失っています。

「みんな、何もかも失ってしまいました。歯ブラシすらありません」と、プレムさんが語ります。

7カ月の赤ちゃんの面倒をみるおばあさんは、4月25日の地震で義理の娘を失った。地震以降、赤ちゃんがなかなか泣き止まなくなったと語る。
© UNICEF Nepal/2015/Panday
7カ月の赤ちゃんの面倒をみるおばあさんは、4月25日の地震で義理の娘を失った。地震以降、赤ちゃんがなかなか泣き止まなくなったと語る。

何週間も歯を磨けず

「何週間も歯を磨いていません」と、足を負傷した12歳のティル・ムマリ・グルンさんが横になりながら教えてくれました。教科書やお気に入りのものを失って悲しいけれど、石けんや歯ブラシが使えるようになって安心したといいます。

モンスーンを前にして雨が降り始め、がれきや全壊した建物だけでなく、ごみや生ごみ、土砂に囲まれた中で生活を送る多くの人々が、衛生状態が気がかりだといいます。

「孫のことが心配です。でも、衛生キットを受け取ることができて、安心しました。病気の感染を防ぐことができますから」と、60歳のカル・ガレさんが話します。カルさんは、両親が食べ物を探しに出かけている間、毎日孫たちの面倒をみています。

「娘たちは今、1日2回きちんと歯を磨き、手をきちんと洗っています。妻は、生理用品が手に入り、とても嬉しそうでした」と、ラル・バハドゥル・グルンさんが話します。ラルさんは、最寄りのアブ・カイレニという町まで40キロ山を下って石けんを買いに行かなくてはいけませんでした。

衛生キットに含まれる支援物資は生活に必要不可欠なものばかりですが、ほとんどの家族が手に入れることができていないものです。衛生キットは被災した人たちの力となっているものの、村の物資の在庫は既に底をついており、すぐに新たな支援が必要になるとラルさんが話します。

「あまりにも多くの家族が被災し、支援を必要としているのです」(ラルさん)

トップページへ先頭に戻る