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ユニセフ協会からのお知らせ

前ユニセフ事務局長キャロル・ベラミー氏
旭日大綬章の栄に浴しました

© UNICEF/HQ05-0013/Shehzad Noorani
スマトラ沖地震後、避難キャンプに開設された小学校で子どもを元気付ける(2005年 スリランカ)

11月7日、前ユニセフ事務局長キャロル・ベラミー氏(現 米国非営利団体ワールド・ラーニング代表兼最高経営責任者)が、旭日大綬章の栄に浴しました。ユニセフの事務局長を勤めた人物としては、ベラミー氏の前任、故ジェームス・グラント氏に続く(平成3年に勲一等瑞宝章を受勲)栄誉となります。

ベラミー氏が女性として初めて、ユニセフの最高責任者として事務局長に着任した1995年当時の世界は、東西冷戦構造の崩壊から、各地で政治的・社会的な混乱が頻発していました。度重なる紛争や自然災害、拡大する貧困、HIV/エイズ等、複雑・多様・拡大化する脅威に晒される子どもへの支援が、かつて無いほどに求められていたのです。

ベラミー前事務局長は、こうした状況に対応できる体制の確立にリーダーシップを発揮。全世界のユニセフ事務所に緊急支援物資の備蓄や、物流・情報システムの構築を通して、世界のどこで緊急事態が発生しても、48時間以内に追加の支援物資や人員などを輸送・派遣できる体制を整えました。また、緊急支援の柱として、子どもの保護や、学校再開を中心に据えたコミュニティの復興や心のケアの重要性も訴えました。更に、中長期的に子どもの命を守る環境を作り、人や国を育てる環境をつくるために必要な基礎(小学校)教育、特に就学率や修了率が世界的に男子に比べて低い女子への教育の普及を、ユニセフの支援活動の主要な柱として確立しました。

© 日本ユニセフ協会
熊本での講演会に先立ち中学校を訪問(2004年10月22日 熊本市立京陵中学校)

また、ベラミー氏は、こうしたユニセフの支援活動の拡充に必要な支援を得るため、15回の訪日に代表されるように、世界中を精力的に回り、政策決定者や一般市民に対し、ユニセフへの一層の支援を呼びかけ続けました。ベラミー氏在任中、日本政府のユニセフ支援額は約5倍になり、日本の皆様から日本ユニセフ協会にお寄せいただいた「ユニセフ募金」による支援額も、年間1億ドルの大台を突破し、民間としては世界一になりました。



© 日本ユニセフ協会
講演後に訪れた熊本大学付属小学校にて 生徒と一緒に記念植樹をおこなう (2004年10月23日 熊本大学附属小学校)

ベラミー氏はまた、日本ユニセフ協会が日本政府やパートナーの皆様と取り組んでいる「アドボカシー(政策提言)」活動の良き理解者・推進者として、2001年「第2回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」(横浜会議)の開催や、2004年の「旅行・観光における行動倫理規範(コードプロジェクト)」の日本発足にあたっても、大きな役割を果たしました。

ベラミー氏は、事務局長を退任した翌日、2005年5月1日に東京・国技館で開催された日本ユニセフ協会創立50周年記念行事に参加。10年間の彼女の功績に対し、国内外から寄せられた感謝のメッセージに応え、次の言葉を残しました。

© 日本ユニセフ協会
日本ユニセフ協会創立50周年記念シンポジウムにて基調報告(2005年5月1日 東京 国技館)

『日本ユニセフ協会が世界のあらゆる協会の中でもナンバーワンになっているということは、本当に皆様の支援のお陰です。この10年間、私はユニセフの事務局長として、すばらしい機会をいただいたと心から感謝しています。こういう時が来るなど、夢にも思いませんでした。そういう意味では、このような機会をいただいて各団体の方々と協力できたということを本当にうれしく思っております。この場をかりてもう一度感謝したいと思います』

日本政府は、この度の秋の叙勲にあたり、ベラミー氏の功績、特に、日本とユニセフの関係の強化、またユニセフへの支援を通して、日本の国際貢献が質量ともに拡大し、日本の国際的地位が向上したことにおいてベラミー氏が果たした功績を高く評価し、この度の栄誉の授与を決定しました。

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