夜明け後すぐに、リニヤティさんは、生後11カ月になる娘、トレシアちゃんの身支度に取りかかりました。彼女は、トレシアちゃんに、今日が特別な日であることをやさしく語りかけています。今日、リニヤティさんは村のロングハウスまで出かけ、娘に予防接種を受けさせるのです。
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© UNICEF Indonesia/2007/Purnomo |
マラタスダヤックのコミュニティで行われたはしか予防接種キャンペーンのようす。赤ちゃんが投与されているのはビタミンA補給剤。 |
「はしかとポリオは子どもを苦しめ、予防接種を受けなければ、死んでしまうことすらあると聞きました」。リニヤティさんは話します。彼女の言うことは間違っていません。ユニセフによると、インドネシアでは、毎年はしかが原因で3万人を超える子どもたちが死亡しています。また近年発生したポリオの流行は、300人を超える人々の手足に、生涯つづく麻痺を残してしまったのです。
テレシアちゃんは、今年、インドネシアで予防接種をうける1,400万人の子どもたちの内のひとりです。広範囲に広がるインドネシアの島々では、都市部に住んでいる人もいますが、多くは、リニヤティさんやトレシアちゃんのように、命を守るワクチンが簡単には手に入らない、都市から遠く離れた場所に住んでいます。 |